タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/06/22
ボツ
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「……くせえ」
船に帰ってきたばかりでどこか浮かれた女を見つめて思わずこぼした言葉に、ゾロに言われたくないんだけど、と言わんばかりの表情を向けられて思わず視線を逸らした。
「……ゾロの方がくさいじゃん。お風呂何日入ってないの」
失敗した。口に出すつもりじゃなかった。そんな反省をしていたせいで隙があったのか逸らしたはずの視界にいつの間にかまた回り込まれていた。すん、と鼻を鳴らして匂いを嗅いで鼻摘む失礼な女に眉根を寄せて睨み付ける。
「三日前に入ったばっかりだ、……寄るな、くせえ」
「三日も入ってな……一度ならず二度までも! 失礼!!」
ぎゃ、と悲鳴をあげて体を逸らしたから安心したのに、寄るなの言葉に目を吊り上げてまた近寄ってきたから眉間の皺が深くなる。一度口から零れ落ちて、女の耳に届いてしまったのだからこれ以上みっともなく誤魔化すのはやめて原因を突き止めることに決めた。
「どこに行ってたんだ、てめェ、まじでくせェな」
ふわりと漂ってくる混じり気の酷い嗅ぎ慣れない匂いに苛立って言葉尻が強くなる。
「ほんっとに失礼なんだけど!!」
キィ、と甲高い声をあげて甲板を踏み鳴らす姿に眉根を寄せる。動くな。動くたびに嗅ぎ慣れない匂いが漂ってきて余計に苛立ってしまう。匂いの原因を突き止めたいが、少しでもその匂いに触れれば苛立ってしまって考えがまとまらない。……まとめる必要あるか? 原因を消せば解決じゃないのか。
「百歩譲って! 万が一! 私がくさかったとしても私よりゾロの方が刺激臭するんだからね!!」
「風呂」
「……わかればよろしい」
おれの放った単語に急に大人しくなった姿に首を傾げた。まあでも、協力的な態度は苛つく感情を撫で付けてほんの少しだけ心も軽くなる。なのに一歩近付いて腹に腕を回して担ぎ上げた瞬間、ぎゃ、とまた耳元で騒がしくなるから不思議だ。ああでも声掛けなかったから驚いたのか。それについてはすまんと謝る。ちょっと気が急いちまった。担ぎ上げたおかげでぶわりと知らない匂いが近付いて苛立ちが舞い戻ってきそうになるのをあと少しの辛抱だと堪えて風呂場へ向かった。
▼夢主視点ボツのボツ
ぼちゃん!
急な蛮行に目を剥く暇もなく湯船へと放り込まれて呆然とする。服ごとびちゃびちゃになった私を見下ろして、よし、と頷くゾロに口が開いたまま動けない。くさい、と事実無根の罵倒を受けるだけならまだしも、こんな酷いことをされる謂れなんてどこにもなくて、じわ、と目尻が熱くなる。
「くさく、ないもん」
ひく、と喉が引き攣って、それを自覚した途端に視界がぼやける。くさくない。だって、だって、ロビンちゃんと、ナミちゃんと一緒に、一緒に選んだ香水を身に纏って、それで、
髪の毛から滴る水滴のほかに、湯船にぼたぼたと落ちるのは私の涙の音で、それを隠したくて顔を覆う。水の流れを隠しても、喉の引き攣りを止められるわけがなくて私のみっともない引き攣った嗚咽がお風呂場に反響して、それがまた哀れに聞こえて涙が次から次へと溢れ出た。
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