タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2022/06/24
ボツ
※ゾロが可哀想


「……そろそろ付き合うか」
「付き合わない」
「は?」

 は?以外の言葉が出てこない。友達だとか、仲間だとか、そういう好きとまた違うのは見ていてわかる。目が合うだけで頬を染めていた時期は過ぎ去ったみたいだが、それでもおれが何かを言うとたまに耳を真っ赤にして口籠もったりして反応するのを見る限り、熱が過ぎ去ったわけでもない。僅かに赤く染まったその頬に触れてみたくて、付かず離れずの距離がもどかしくなったから口にしたのに。

「……おれのこと好きなのにか」
「うん、付き合わない」

 すぐさま頷かれるものだと思って頬に伸ばした指はみっともなく宙を掻いた。おれのみっともない疑問は否定されずに頷かれて、だけど一番最初の提案は相変わらず却下された。おれのことを好きだと感じたのはひどい自意識過剰な勘違いなんかじゃなく事実で、なのに断られた。

「なんで」
「不安になるから」

 困ったように笑われて意味がわからなくなる。

「このままがいい。私はただゾロに恋をしてたい」
「それなら別に付き合っても一緒だろ」
「ゾロの彼女になったら、不安になる。今まで気にしなかったことを気にしなきゃいけなくなる。彼女だから、不安になる。彼女じゃなくなる日がいつか来るのが怖い」

 だから付き合わない。ごめんね、と肩をすくめられて眉を顰める。意味がわからない。なんで始まる前から終わることを考えてるんだ。

「やくそ、」
「約束はしたくない。ゾロは絶対に約束を守るから。約束があるから別れられないんだって思っちゃう」

 約束をする、絶対に離さない。そう紡ごうとした言葉は先に奪われた。どうしようもない。頑なな様子をじっと見つめれば視線が揺れてまた頬を染める。こんなにもおれのことを好きで、態度でも言葉でも好きだと伝えてくるのに、恋人にはなれない。