タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/03/16
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サンジくんが本意じゃなくてもレディに暴言を吐きます。
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「かわいくねェ、出てけ」
ダイニングの扉を開いて入った瞬間サンジくんの口から放たれた言葉に目を丸くする。うそ。正確にはサンジくんがそれを言った瞬間にはさみを手にした瞬間に血涙を流しているサンジくんを人型化したチョッパーとウソップが必死でそれを羽交い締めにしたから、言葉よりも何よりもそのどたばたに驚いて目を丸くした。あはははは!と朗らかな笑い声が聞こえて目を向ければナミちゃんがお腹を抱えて涙を流しながら笑っている。その隣でロビンちゃんも控えめに、だけどいつもよりほんの少し柔らかい表情を浮かべて笑っていて、大騒ぎをしている男たちを横目に二人へ近寄った。
「お前なんて嫌いだヴグゥ」
「ワアやめろ!!」
「説明してきてあげるからほんとやめろ!!」
「てかもうサンジは喋るな! 口閉じとけ!」
血涙を流し続けるサンジくんと目が合った瞬間にまた言い放たれて瞬く。ぶんぶん首を振るサンジくんを指差してナミちゃんを見る。
「なにが起きてるの?」
あは、あはは、と言葉すら紡げないほど笑いのツボに入ってしまったナミちゃんから視線を外して今度はロビンちゃんへ。うふふ、と楽しそうに笑うロビンちゃんが口を開いてようやく事の次第がわかりそうだと耳を傾けた。
「ルフィが拾ってきた果物がW反対の言葉を口にしてしまうWという代物だったみたいよ。おもしろいわね」
「なるほど」
ほらそこの、とすらりとした指でテーブルを指されて視線を向ければ大量の見た目は普通に美味しそうな果物の山。食べ物に関しては好奇心旺盛で、危険性が無さそうだと長年の勘で判断すれば一口味見してしまうサンジくんはきっとすぐに口に入れてしまったんだろう。理由がわかれば納得して思わず笑ってしまう。
「それにしても、サンジにあんなことを言われても傷付かないのね」
「ナミちゃんやロビンちゃんだって傷付かなかったでしょ?」
ふわりと微笑みながら言われた言葉に首を傾げながら返す。だって、理由はどうあれサンジくんの言葉が本心じゃないだなんてことは、サンジくんと一日でも一緒に過ごしたことがあればすぐに理解できる。きれいだかわいいすてきだすきだ。最初は軽く聞こえても、というかサンジくん以外の男の人の口から聞けば何度聞いても軽く思えてしまう言葉の数々だけど、サンジくんはそれらの言葉を本当に心の底から発している。言葉だけじゃなくて、態度で愛を伝えてくれている。そんなサンジくんが嘘でも私たちに嫌いだ可愛くねェだなんて言うわけがないとわかっているから、傷付く必要なんてかけらもなかった。そもそも言いながら泣いてるし、サンジくんだって言いたくて言ってるわけじゃないのは見てわかる。
わかっているから言われた私たちは微笑み、涙を流すほど笑っているのに言った側は世界の終わりだとでも言わんばかりに暴れ、男たちはそれを止めている。そもそもサンジくんはなんでハサミ持ってるの。
「ねえロビンちゃん、この果物って危険なの?」
「いいえ。一日だけ反対の言葉を口にしてしまうだけよ。食べても害はないわ」
それを聞いてテーブルの上に乗っている果物をひとつ手に取って大暴れしているサンジくんの目の前に立つ。暴れ続けてレディを巻き込んじゃいけないと思ったのかピタッと動きの止まった(けれどいつ暴れ出すかわからないと思っているのかチョッパーとウソップはまだサンジくんにしがみついたまま)サンジくんの前で、見ててね、と言ってひと口かじる。あ、おいしい、だなんて舌の上で転がして思いながらごくんと飲み込んでゆっくり口を開いた。
「私もサンジくんのこと大嫌いだよ」
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