タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2023/02/22
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「辞めればいいのに、海軍」
「辞めるわけねェだろうが」
十手で地面を割りながら唸るように吐いて、ひらりひらりと攻撃をかわす海賊に舌打ちをかました。
「見ててかわいそうになる」
「何がだ」
のらりくらりと余裕をぶっこいて逃げる姿に腹が立って思わず聞き返してしまった。海賊と話をする必要なんざねェのに。それ以上に海賊に憐れまれる理由もねェ。
「海賊は自由だから良いことも悪いこともするけど、海軍は正義を名乗ってるのに悪いことする人もいるじゃん。スモやんには向いてないよ」
その言葉に力加減を間違えて十手が地面に突き刺さって身動きが取れなくなる。身動きが取れなくなったのは十手が突き刺さったからだ。断じて、図星をつかれたからじゃない。なんて、言い訳をしてる時点で図星だ。砂漠の国での自分の為体を、部下の涙を思い出す。クソ、と何も言葉を返せず悪態をつくしかできないおれを憐れむ目で見る女を睨みつける。そうだ。その通りだ。背中に背負った正義がきちんと働いている組織だと胸を張って言えねェ。だが、いつか。いつかはきっとくる。そのために理不尽にも耐えて、地位を手に入れようとしている。海賊如きに説教されなくても、おれが一番それをわかってるんだよ。
「わかってるのに辞めないの?」
「辞めねェよ」
そう、と笑われて眉を顰める。
「スカウトしたかったのにな」
「海賊なんかにゃならねェ」
即答したおれにけたけたと腹を抱えて笑われてまた舌打ち。ようやく引っこ抜けた十手を担いで再びふざけた海賊を捕まえるために踏み込む瞬間を探る。へらへらと笑っているくせに隙がない姿にじりじりとにじり寄ることしかできない。何も考えずに動けばまた地面に十手が突き刺さりそうで、確実に仕留める為に考える。
「知ってる、善良で正義の塊みたいなスモやんには海賊も向いてないよ」
いつもふざけたように笑ってるが、はじめて見る笑顔に固まった瞬間が命取りだった。一瞬で距離を離されまた今日もいつものように逃げられる気配。慌てて足を踏み込んでももう遅い。
「今の海軍には捕まりたくないけど、いつか、スモやんになら捕まってあげてもいいよ」
逃げ足の速い海賊はおれの煙すら届かない距離にいるのに、叫んだわけでもないその声が耳にへばりついて離れない。
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