タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2023/02/24
※夢主が男好き
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「は〜……むらむらする」
「ぶっ……!」
唐突に聞こえてきた明け透けな言葉に医者の目を盗んでせしめた貴重な残り少ない酒を吹き出してしまった。げほげほと盛大に咽せたせいで塞がってない傷口が開いた気がして包帯を巻かれた胴体を見る。白い布に赤い血が滲んでいないことを確認して、貴重な酒を吹き出す原因になった言葉を吐いた女を睨みつけた。
「ごめん口に出しちゃってた?」
「ちっ」
へら、と軽薄に笑う馬鹿に舌打ちをしたところで効果なんてない。じろりと睨み続ければ言い訳にもならない言い訳を重ね出すから呆れる。
「だって全然島につかないんだもん、欲求不満にもなるでしょ」
「鍛錬が足りねェんだ」
「鍛錬でどうにかなるもの?」
「なる」
ならないと思うなあ、と呑気に開き直って笑う声に眉間の皺がどんどん深まっていく。
「早く島につかないかなあ」
「また男漁りに行くのか」
「うん。いや漁りに行くって言い方やめてよ」
「事実だろ」
「そうだけど言葉が可愛くないから駄目」
意味のわからない言い訳に鼻を鳴らして残り少ない酒を今度は吹き出さないように大事に味わう。どう言おうがやることは変わらない。
「そのうち刺されて痛い目見る」
「今、刺されて痛い目見てるのはゾロだね」
「ぐ、ッ、……触んな」
つん、と傷口付近を指でつつかれて呻く。別にこれは色恋沙汰の怪我じゃない。海賊同士の争いで受けた傷だ。あと刺されたんじゃなくて斬られたんだよ馬鹿。
「大丈夫だよ、ちゃんとわかってる」
何が、と声に出さずに視線だけで促したのが間違いだった。こんなムカつくだけの話題、わざわざ広げなくていい。
「そういう重たいタイプの人には手出してない」
だから刺されないよ、と笑って言われた言葉に腹立たしくなる。苛立つおれを気にも留めずに心配ありがとう、と笑うから余計に腹が立つ。心配なんてしてねェ。
「ゾロは刺す側でしょ、重たそ〜」
何がおかしいのかけたけたと呑気な笑い声をあげる女にとうとう我慢が効かなくなって鼻で笑う。
「まあ今のうちに遊べるだけ遊んどけ。そのうち遊べなくなる」
「今のうちってなに、失礼な。何歳になっても私は魅力的だから死ぬまで遊び続ける予定です〜」
ふん、と見当違いな憤慨を向けられても勘違いを訂正はしない。せいぜい束の間の自由を謳歌してればいい。今はまだ、自由だ。お前の思う重たい人間とやらを避けて軽やかに遊び回ればいい。重たい人間には手を出してないと誇らしげに言うが、我が物顔でお前を呼び出す男を追い返したのは一度や二度じゃ数えきれない。お前には軽いだの重いだのを見分ける目はない。見分けられるなら、そもそもおれに近付いてこないはずだ。呑気に笑って話しかけたりしなければよかった。軽口を叩きながらも怪我人がまた無茶をしないように見張る為にそばにいる優しさをおれに向けるべきじゃなかった。仲間に対してなら誰にでもすることだってわかってる。わかっていても好きになるのにそんなのは関係なかった。見る目も手を出す出さないも関係ない。引っかかるやつは勝手に引っかかる。馬鹿なお前はそれに気付かず能天気に笑ってる。別に今はそれでいい。今はまだ、おれにもやるべきことがある。浮ついた心じゃ世界一も、お前も、なにも手にできない。お前が自由なのはおれが世界一になるまでだ。
世界一になったら逃がさない。
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