タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/03/20
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包帯まみれでチョッパーに怒られてへらへらしているいつも通りのサンジくん。ナミちゃんは不貞腐れたようにサンジくんを睨みつけていて、ロビンちゃんはいつも通りの笑顔に見えて握りしめる拳に力が入っている。ひとまず叱り終えたチョッパーが次の患者さんに走って、サンジくんの視線が私たち女子に向かう。いつもは黒い布に包まれている肌が赤の混じった白い包帯まみれになった体をいつものようにくねらせて、一瞬顔を顰めさせた。本当に一瞬で、それでも顔を蕩けさせながら笑顔でぶんぶん私たちに手を振るサンジくんに、私たちは誰一人として応えない。示し合わせたわけじゃないけれど同時に視線を外して踵を返す瞬間も同じで、思わず顔を見合わせて苦く笑った。後ろから素気無くされて傷付いているらしいサンジくんの悲しげな視線がちくちくと刺さるけど、三人並んで女子部屋へと足を進めた。
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「……サンジくんのアレは一生治んないわね」
「そうね、それがサンジだもの」
無言のまま部屋へ入って、ぱたん、と扉が閉まったと同時にずっと我慢していた言葉がナミちゃんの口から漏れる。ロビンちゃんも相槌を打って、私もただ無理矢理口端を釣り上げて同意の笑顔を浮かべる。
この船に乗る人たちや、ルフィが好いている友達と言う名の同盟相手の海賊たちが海賊らしくない行動ばかりとる人ばかりだったからたまに忘れてしまうこともあるけれど、海賊が卑劣な行動を取るのは至極自然なこと。悪い奴が力の弱い女子どもを狙うのは当たり前で、そんな私たちを守ろうとするサンジくんはやっぱり海賊らしくなくて、だけどそれがサンジくん。だけど私たちも二年の修行を経て強くなったのに、二年前と変わらず、それ以上に我が身を顧みず私たちを庇い立てるサンジくんを見るのが時折つらくなる。赤く染まる白い布を肌に纏うのは、私たちのうちの誰かのはずだった。
「サンジくんが私たちに傷付いてほしくないと思うのと同じくらい、私たちだってサンジくんに傷付いてほしくないのに」
ぽろりとこぼれたのは言葉だけじゃなくて涙もだった。ロビンちゃんが私を抱き寄せて頭を撫でてくれる。その優しさが余計に涙を呼んで嗚咽する。サンジくんを守りたいと戦場に出れば出るほど、サンジくんは私たちの代わりに傷を負ってしまう。
庇わないでと怒っても、一人でなんとかできたと拗ねても、怪我しないでと泣いても、ありがとうと感謝しても、サンジくんは不思議そうに首を傾げて、レディを守るのがおれの使命だからね、と息をするのと同じくらい当たり前だと笑うだけで何も変わらない。今だって私たち三人に視線を外されたけど、また次の敵襲で同じことを繰り返すのは目に見えている。それがサンジくんだとわかっている。わかっていても、白い肌を隠す赤に滲んだ包帯を見ていられなくて、つらくて、いつかどうにかわかってほしくて、私たち三人は悪足掻きを何度でも繰り返す。
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