タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
← →
2023/10/16 エース
細すぎる手首・君には分かるまい・泣かないで、愛しい人
※ボツ
▼
「いい加減それやめろ」
「それ?」
「だから、その、」
「エース、好きだよ」
「……それだよ」
不思議そうに首を傾げる姿に呆れてため息をつく。隙あらば好き好きとじゃれついてくる女は、いくら邪険に扱っても懲りやしない。
「お前は善良な一般市民でおれは海賊、いい加減線引きを覚えろよ」
「どうして?」
だから今理由を簡潔に教えてやっただろうが。何度言っても離れようとしないこの意地の強さはルフィを思い出す。でもルフィとお前は違う。あの頃の小さなルフィと違ってお前は小さくも弱虫でも泣き虫でもないけど、それでも、ちょっとおれが力を入れただけでぽきっと折れそうな細い手首はこの海賊時代とは相性が悪すぎる。こののどかな島で擦り傷ひとつつくらずおばあさんになって顔をしわくちゃにして笑いながら幸せに暮らしてほしい。そう願っているだけなのに。馬鹿みたいに毎日おれを見つけてはひよこのように後ろをついて歩いて好き好きと馬鹿の一つ覚えの言葉を無邪気に紡ぐ。
「お前にはまともな世界があるんだからおれに近寄るな」
「エースと一緒に過ごせない世界のどこがまともな世界なの?」
← →