タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2023/10/31 クロコダイル
震える指先・そんなもののために、・ゆっくりところしてあげようか
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がたがた震えて怯えているくせに逃げようとしない女を見下ろす。ひゅ、と息を呑んで一歩二歩と本能で後退るくせに距離が離れたことに気付けばその震える足でまた一歩二歩とおれに近寄ってくるイカれた女を観察する。見下ろすだけで潤んでいく瞳からとうとう雫がひとつ溢れて鼻で笑う。それにすら足を地面から離れさせてしまうほどびくついて怯えているくせに一定の距離からは離れないその姿は憐れだ。あの砂漠の国での顛末をお前も見たから怯えているくせに、それでもまだあの幻想を夢見てるんだろうか。
「……殺されてェのか」
ひ、と引き攣った音が溢れるくせに一向に逃げやしない女は馬鹿でしかない。じりじりと足が後ろへ逃げてるくせに、泣きながらそれを押し留めるから意味がわからない。
「く、ろこだいる、さん、が、……っ、うそつきなのは、わかってる、けど、……たすけられたの、は、ほんと、だから、」
涙に滲んだ声は辿々しく聴き取りにくい雑音でしかなかったのに意味を汲み取ってしまって眉を顰める。
「だから、……私の、命、はクロコダイルさん、のもの、」
頭の中で意味のわからない式を組み立てた馬鹿な女に舌打ちを隠す気すらおきなかった。おれの一挙一動に怯え引き攣るくせに、逃げられたくせに、わざわざ命を投げ出しにきた馬鹿にお望み通り殺してやろうかと砂を出せば震えが増すから殺す気も失せてしまう。はいどうぞ、と投げ出されるものに価値なんてない。
「お前のちっぽけな命なんざ興味ねェ」
消えろ、と手を振って許可を与えたにも関わらず、ぎゅっと目を瞑り覚悟を決めたように動かない女に舌打ちをする。その舌打ちだけでまたぴょんと地面から両足が浮くほど怖がっているくせに。ちっぽけで弱くて面倒なだけの厄介な女に目を付けられたと手のひらで顔を覆ってため息をつくことしかできなかった。
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