タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2023/11/06 ゾロ
行方知れずの恋・楽園を蹴っ飛ばす・手招きする指の美しさ
※なんでも許せる人向け
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「浮気か?」
「ちがうよ」
出掛けてくるね、とはしごに足を掛ける女を見下ろしながら問うたらいつものように即答された。でも何時に帰ってくるんだの答えは返ってこなかった。無視したな、あいつ。眉を顰めて足早に豆粒になっていくあいつの後ろ姿を睨みつけてため息をついた。
「あら、」
「……なんだ」
おれたちのやりとりを興味深げに見ていたのは気付いてた。穴があくほどじっと見られりゃ嫌でも気付く。でもなんとなく面倒なことになりそうな気配を感じてわざと気付いていないふりをしたのに、声をかけられてしまったら無視もできまい。仕方なく返事をすればきらりと目を輝かせたのがわかったからやっぱり無視すりゃよかったと後悔した。
「あなたいつからあの子のこと好きだったの? 気付かなかったわ」
なんてこと、と頬に手を当ててわざとらしい大仰な仕草で呟くからまた深いため息を吐く。
「最初からだ。でもまあ世界一になる前に浮かれたこと考えて足元掬われるのは嫌だったからな、隠してたっつーか、蓋してた」
「あら」
微笑ましそうに緩んだ声色に眉を顰める。その目でおれを見るのはやめろ。それはチョッパーにだけ向けてりゃいい。
「ふふ、でも、ゾロにも嫉妬や独占欲なんて感情があったのね。もっとどっしり構えてるのかと思ってたわ」
可愛い、と相も変わらず幼児に向ける目つきをやめないロビンに苛つきながら適当な相槌を返す。なんでだよ。別に普通だろ。好きな女が他所に視線向けたら嫌な気持ちになるのはよ。
「それにしても本当に気付かなかったわ」
「そりゃお前はそういうのに疎いからな」
「裏の世界にいた女にそういうこと言うの?」
心外だわと言わんばかりに眉根を寄せるロビンを鼻で笑う。今までがどうだかなんて関係ない。砂漠を越えた頃の警戒を返してほしいと思うぐらい、今その面影はかけらもないのに自分じゃ気付かないのか。おれもそういう機微に疎い自覚はあるが、お前よりはマシだ。まあそこらの馬鹿は一人で薙ぎ払えてるし、根っこが暗黒女なことに変わりはないから一味の前で腑抜けるだけなら問題ない。
「いつから付き合ってたの?」
むすっとしつつも切り替えたロビンに問われて思考が止まる。
「浮気とかは気にするくせに記念日は忘れちゃったの?」
お馬鹿さんね、と笑われても怒る資格なんてない。全くその言葉通りでしかなくて血の気が引いていく。そんなおれの姿があまりにも憐れに見えたのか、ロビンがおろおろと大丈夫よ、そんなことで怒る子じゃないわ、と慰めてくれるのは有難いがそんな問題じゃない。
「……やべェ」
「大丈夫よ、こんなに愛されてるんですもの、正直に言えば笑って許してくれるわよ」
「………………告白するの忘れてた」
そりゃあいつも浮気か?のおれの詰問に否定するしかねェわな。だって付き合ってねェから。
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