タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2023/12/19 ゾロ
離れないで、離さないで・天国はここにある・ずるいほど可愛い
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「かわいいが不足してる。ナミちゃんロビンちゃんチョッパー……えーん……隣にいるのはかわいさのかけらもないむさくるしい迷子剣士……」
「うるせェな、迷子じゃねェ」
「可愛くないのはもう仕方ないけどいい加減方向音痴の自覚持ってよぉ……」
迷子じゃねェ、と同じことを繰り返すだけのゾロの方向を正すのはもう何度目になるのかわからない。みんなと散り散りになって一番最初に合流できたのがゾロで、これでもう戦闘面で怯える必要は無くなった。でも、安心はするけど、少し目を離すと違う方向へ歩き出そうとするゾロにとうとう弱音も吐いてしまう。せめて申し訳なさそうにでもしてくれれば可愛くて癒されるのに、迷子の自覚がないから不貞腐れるだけ。筋肉質な男の人が拗ねたって可愛くない。とうとう可愛さに飢えた私が嘆けば突き放されるから余計にみんなが恋しくなる。離れないようにぎゅっと掴んだ手を振り解いてこないだけマシだけど、それでも力の差に時々間違った道を行くゾロの方へ体が持っていかれそうになるのを踏ん張って堪える。
「ゾロのせいで疲れたから責任とってなんか可愛いことして」
「あ゛? 意味わかんねェことほざくな、とっとと歩け」
ゾロはまっすぐ歩いて、とはもう口には出さずにただひたすら手を引っ張って変な方向へ突き進もうとするのを制止する。ロビンちゃんたちと合流できたら二、三時間はなでなでしてもらわないとやってられない。
「可愛いに癒されたいよお……」
「…………仕方ねェな、……刀貸してやろうか」
「……なんで?」
敵も来てないし、来てたとしても私が持つよりゾロが持って戦ってくれた方が当たり前に強いし、大事な刀を私に貸そうとする発想に至ったゾロがわからなくて首を傾げる。
「鏡、持ってきてねェんだろ」
「……鏡? あるよ」
小さな鏡は手持ちにある。どうやら刀を鏡代わりに貸してくれようとしたってことは理解して、でもやっぱりなんで唐突に私が鏡を必要としてると思ったのかがわからなくて首は傾げっぱなし。
私の返事に途端に呆れた視線を向けられても余計に訳がわからない。鏡がないと思ったから反射で刀を鏡がわりに貸してくれようとしたことは分かった。それはわかったけれど、そもそも今この瞬間に私に鏡が必要だとゾロが判断した理由がわからない。
「持ってんならぐちぐち言わずに大人しく鏡見てりゃいいだろ」
「え?」
ゾロのその呆れた声に一瞬で頭の中が真っ白になって何も考えられなくなった。今、なんて言われた? 鏡を見てればいい、って言われた。なんで? だって、私が求めてるのは、可愛さで、癒しで、それで、……鏡を見て、どうなるの?
「…………え?」
「あ? なんだよ、可愛いが足んねェんだろ、鏡持ってんならすぐ解決するだろうが」
まるで戸惑う私の方がおかしいみたいに言い放ったゾロに意味をじわじわと理解して固まる。そんな私を不思議そうに見下ろすゾロに返事もできず体温を急上昇させることしかできなかった。
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