タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2023/12/29 ロー
大事なものなんて他にはないよ・包まれる香り・闇に浮かぶ白い首筋
※ちょっとローが可哀想?


「どうやったらお前はおれのものになる」
「うーん、私はルフィのものだからなあ」
「おれは仲間をモノ扱いなんてしねェ!」
「そんなのみんなわかってるけどこの船のクルーはみんなあの子の気持ちはわかるわ」
「そもそも今はそういう話をしてるわけじゃないと思うけれど」

 可哀想に、と言いながらも笑うロビンちゃんやナミちゃんの愛らしさに思わず抱きつきにいこうとした私の体は強制的にまたローの目の前に引き戻された。ローの能力から逃げるのは大変だから仕方なく諦めて向き直る。憎々しげに見下ろしながら睨みつけられても、引き抜きは困る。ルフィに惚れ込んで海賊になったんだから。この同盟を組んでローが見た目より情に厚く優しい人だってことはじゅうぶんわかったけど、だからってルフィから乗り換える理由にはならない。

「おれの何が気に食わない」
「気に食わないところなんて別にないよ」

 目の前で盛大な舌打ちをされて苦笑する。

「……麦わら屋より先にお前に会っていたら、お前はおれを選んだか」

 ぎゅ、と腰を抱かれて言われた言葉に首を傾げる。もしも、ルフィより先にローに会っていたら? 白いツナギを着る私を想像しようとしてうまくいかなかった。

「でもいつかルフィに会うでしょ? そしたらルフィについていくんじゃないかなあ」
「おれには乗り換えねェくせに、麦わら屋には乗り換えるのか」

 悲しげに落とされた声は我儘を言われたり、理不尽に責められたりするよりよっぽど罪悪感を駆り立てられて目が泳いでしまう。でも、そもそもルフィと出会う前のローなら私を引き入れようとなんてしなかったと思うから、乗り換えるも何も私はローの船に乗っていないと思う。良くも悪くも運命を振り回すルフィに出会ったからローは今自由になって私に目を向ける余裕ができたけど、きっとルフィに出会わなかったらローは私に見向きもしない。そんな事実を言ってもきっとそんなことないだなんて否定するだけだから一応乗っかってあげただけ私は十分ローに付き合ってあげている。

「どうすればおれを選ぶ」
「うーん」

 駄々を捏ね始めた26歳児に困り果ててみんなに助けを求めようと振り返ったけど、何度も繰り返されたこのやり取りにみんなも飽き始めているのか散り散りになっていて枯れた笑い声が溢れた。まあ本当に力尽くで誘拐でもされようものならみんな助けに来てくれるし、ローがそんな野蛮なことはしないとわかっているから解散し始めてるんだろうけど駄々を捏ねられている当事者はたまったものじゃなくて困り果ててしまう。

「おい、よそ見をするな」
「めんどくさあい……」
「……おい」

 ローを傷付けてしまったことに申し訳なく思う気持ちも本当だけど、口からこぼれ出た言葉も本音でお互い困ったように眉を垂れ下げながら見つめ合う。

「私別にローのことが嫌いなわけじゃないよ」
「麦わら屋と比べたら月とスッポンなんだろ」
「さすがに言い過ぎ」
「それでも近からずとも遠からずだろ」

 ふん、とまた拗ねられて思わず笑う。

「なんで引き抜こうとばっかりするの? ローがうちに来ればいいじゃん」

 それなら大歓迎だよ、と笑えば、嫌だ、とキャプテンらしい我儘を即答されてずっと同じやり取りなのにまた当分離してもらえないんだろうなあとため息が出る。私のそんな態度が余計に腹が立つのかどんどん頑なになるローに、それでもお互い譲れないから毎度のやり取りがどんどん長引いていくのも仕方がないことだった。