タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2024/04/17 ロビン
囁く声の甘さ・夢でなら逢える・好きだと言わせてみろよ
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「ロビンちゃん、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう」
下卑た態度を隠しもせず近付いてきた男は私だけでなく、あなたも狙っていたのにまるで私だけが狙われたかのような態度に心配になったこともあった。一人の時に言い寄られてしまえばもしかしてその悪意に気付かずに危ない目にあってしまうのでは、とこっそり花を咲かせてそっと静かに見守った時、彼女は男たちの下心にきちんと気付いて処理することができていたからあの時ほど胸を撫で下ろした瞬間はない。彼女は自分の魅力をきちんと知っていて対処の仕方も知っている。けれど彼女は私と一緒にいる時だけ自分を差し置いて、小さな子どもを守る母親のように意識を切り替えてしまう。
さっきのは不愉快な声掛けだったけれど、彼女はどうも過保護で下心なんて微塵も感じられないトラ男くんたちにも同じような態度をとる。多少の甘えはあるのか緊迫感はないけれど、私を守るように前に立って威嚇する背中は愛らしくて後ろからぎゅうっといくつもの腕で抱きしめてしまいそうになる。そんなことをすれば真剣な彼女に水を差してしまうから頑張って我慢しているけれど。私にとっては嬉しいものでも、謂れのない威嚇を受け続けるトラ男くんに苦情を言われたあれそれも思い出すたび頬が緩む。
おれもお前を口説いていないしお前もおれに口説かれていないとわかっているだろう、と責められて、悪びれずにもちろんと頷いた。そんな私に大きなため息をつく姿は死の外科医の肩書きがふわついて見えて頬も緩む。「黒足屋の方がよっぽどだろう、アレに威嚇しないでなんでおれに威嚇するんだ」「家族はいいの、ですって」「……家族に輸血が必要になるほど鼻血は出さん」呆れたのか最後に一言吐き捨てて立ち去った背中に哀愁が漂っていたことまで思い出してしまって音を出して笑った。唐突に笑い出した私にぱちぱちと何度も瞬きを繰り返しながらも私が楽しそうにしているからと訳もわからず同じように頬を緩める姿が愛おしい。
「ねえ」
「なあに」
「あなたはどんな人なら私を任せられると思うの?」
「ロビンちゃんのこと世界で一番愛してる人」
幼かった私の心が砕けた時から私の人生にはもう二度と愛と交わることなんてないものだと思っていた。だけどこの船の人たちは当然のように私を愛してくれて、これから先、私が誰かに愛されることに疑問なんて抱いていない。間髪入れずに答えられた理想に頬が緩む。私、これ以上愛されたら愛で溺れ死んでしまうかもしれない。それもいいかもしれないわね、なんて思ってしまうくらいには愛は心地良くて、幸せで。
「でも私、その人のことみんなより、……あなたより愛せる自信がないわ」
それでも物語に出てくる王子様とお姫様のように、ひと目見たら運命のように惹かれあってしまうのかしら。あなたより? そんなの寂しい。
「ずっとみんなと一緒にいたいんだもの」
うふふ、と嬉しそうにとろけた笑みにつられて私も笑う。
「ロビンちゃんのこと世界で一番愛してくれてるんだから、ロビンちゃんの好きなようにさせてくれるよ」
だから大丈夫、と手を握られて安心する。彼女たちからの愛を疑ってる訳じゃないけれど、言葉にしてもらえると確かな形に安堵できる。世界で一番愛されるのも気になるけれど、私のことを本当に世界で一番愛してくれていて私の好きなようにさせてくれるなら、しばらくはまだどこかに隠れていて。私と出会わないで。今はまだみんなや彼女の愛に浸っていたいの。
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