タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2024/07/16 スモーカー
現実よこんにちは・どこにいても気にしてる・君の手の大きさに慣れた私の手
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「ワッ」
「……悪い」
さっきまで屈託なく笑っていたのに上がった悲鳴に、怖がらせたか、と謝って頭を撫でようと持ち上げた手を下げる。反射的に声をあげてしまっただけなのかひどく申し訳なさそうにする姿に余計に虚しくなった。この世界は広くて、それを考えればおれなんざまだ小せェ方だ、なんて言い訳は目の前で反射的にびくついた女には関係ない。おれの方がこいつよりでかいのはただの事実で、頭上から降ってくる大きな手に怯えてしまうのも仕方のないことだ。わかっていても、好いた女に怯えた目で見られるのはキツくて歯噛みする。
「ご、ごめんね、スモーカーくんは怖くないよ」
びっくりしただけ、と俯くおれの視界に入り込んできて思わずのけぞった。距離が近付いたことに大袈裟にびびったせいで、今度はあからさまに避けてしまったおれに対して悲しそうに目を揺らすから唇を噛み締める。何もかもうまくいかない。
「怖くない」
引くに引けなくなったのかおれの手首に触れた体温に目を見開く間もなくそれを頭に持ってかれた。もともとしようと思っていたことなのに、諦めてやめたはずのそれを強制的に再開されて固まる。怖くない、なんて口先だけだ。腕の隙間から見える表情は引き攣っているし、触れているからこそ震えているのがわかる。欲があったわけじゃない。柔らかに笑う姿がまるでガキのようで、思わず近所のガキにするように腕が勝手に動いてたんだ。近所のガキにビクつかれてもいつものことだ、何も思わないしそのまま髪をぐしゃぐしゃにしてやればすぐに機嫌が治って次に見えるのは屈託のない笑顔。だが、好きな女に肩をすくませられたら筋肉は強張るし、一度我に返ったら目の前にいるのはガキじゃなくて好きな女だということを理解してもう純粋に頭を撫でることなんてできやしない。体を強張らせて、怯えながら、頭を撫で、撫でられる姿は側から見ればきっと異様で女の手が緩んだ瞬間に手を引っ込める。互いにほっと息をついたのがわかって、舌を打とうとするのを唇を噛んで堪えることしかできなかった。
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「ワッ」
「……慣れねェな」
笑いながら髪の毛をぐしゃぐしゃにしても、その目は怯えてなんかいない。驚くのは変わらなくても、手を下ろさなくて済むようになった関係に笑みが滲む。
「スモーカーくんがいつも突然すぎるんだよ」
「……そうか?」
「いつもよくわかんないタイミングで頭撫でてくるからびっくりしちゃうんだもん」
スモーカーくんが悪い、と責任をなすりつけることまでできるくらい図々しくなった姿が憎たらしくて口端をあげながら煙を出して抱き上げる。悲鳴をあげてばたつくのも一瞬で、おれがお前を傷付けたりなんかしないとわかっているから筋肉を緩ませておれに身を任せている。高く持ち上げて、顔を近付けた瞬間、あの時のようにまつげが震えたが、それは怯えからじゃなくて照れているからだということも、今はもうちゃんとわかってる。
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