タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2024/07/22 ロー
欲しいだけあげる・無垢な瞳が瞬く・20年後も変わらず
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「さっきの人は別に追い払わなくてもよかったのに」
「……好みだったのか?」
連れがいると思ってくれたのかスマートに引き下がってくれた男の人がもう一度こちらを振り向いて手を振ってくれた。私も手を振りかえしながら、ちょっとだけ、とローに返事して視線を戻す。もう同盟を組んでない、なんて口先では言いながら合流すれば情報交換も損得なしにしてくれるしこうやって他所の一クルーをナンパから助けてくれたりもする人のどこがドライなのかわからなくて思わず頬を緩めてしまう。“海賊がいい事しやがって反吐が出る”なんて態度のくせにこれはいい事に含まれないのか私が微笑ましくしてるのを不思議そうに眉を顰めて見てるから余計におかしくなる。
それでもローが私を助けてくれようとしたのは事実だから改めてありがとうとお礼を言えば、いや、と帽子を深く被ってお礼も受け取ってくれない海賊にとうとう声に出して笑ってしまった。
「……ああいうのは次からは追い払わないようにする、悪かったな」
「でもローの御眼鏡には適わなかったから追い払ってくれたんでしょ? じゃあきっと私とあの人は合わなかったと思うし別にいいよ。ローの見る目信じてるもん」
「…………おれは、……見る目ねェよ」
「どうしてそう思うの? ローはルフィを同盟相手に選んだんだから見る目あるよ」
唇を噛んで悲しげに否定したローに被せる。そんなことないよ。ローは優しいし、見る目もある。だからルフィに賭けてくれたし、こうして同盟が終わっても付き合いを続けてくれる。
「良い人に見えたけど、ローが追い払ったんだからきっと何か変な所があったんだよ。ローが追い払わない男の人が見つかるまでは誰とも付き合わないようにする。私が良いなって思ってもローにどうか聞いてみるまでは付き合わない」
「……そんなことおれに決めさせるな」
「どうして?」
「……一生誰とも付き合えなくなるぞ」
「そんなにローの審査は厳しいの?」
おかしくなって笑う。帽子の影に隠れるローの目を覗き込んで表情を窺う。どこか悲しそうに否定したローの目がまだ悲しみに揺らいでいないか心配で、絡んだ視線にほんの少し安心する。揺らいではいなかったけど、でも、眉根が寄っていて首を傾げた。悲しそうにしているよりかはよっぽどマシだけど、どこか苛ついているような目に瞬く。
「……ああ。お前には幸せになってもらわねェと困る」
「どんな人なら私のこと幸せにしてくれそう?」
「おれが追い払った程度で逃げ帰るような根性のねェ男はまず駄目だ」
追い払うことが大前提のローに笑ってからこの世界に生きる大半の男の人が一気に脱落した事実に気付いてまた笑う。死の外科医なんて肩書きのある海賊に声をかけられて逃げない男の人なんてそうそういない。ローのことを死の外科医だと知らなくても、妖しい刀を持っていて刺青がたっぷり入ってる男の人に声をかけられたら大抵の男の人は逃げ帰る。
「だからって素直に追い払われずに立ち向かってくるような血の気が多いやつは乱暴でお前のことを傷付けるかもしれねェから駄目だ」
かろうじて脱落しなかった男の人たちすらも全員脱落して瞬く。
「みんな脱落しちゃった。私のこと幸せにできそうな人いないの?」
「……お前は麦わらの一味にいれば幸せだろ」
「うん、」
うん、と思わず納得して頷いてしまった。ほらみろと言わんばかりに胸を張ったローに苦く笑う。
「麦わらの一味にずっといて、ハートの海賊団ともずっと仲良しが良い」
「同盟はとっくに解消したし、海賊同士は友達じゃねェって何度言ったらわかるんだお前らは」
呆れた声をぶつけられたけど、先に優しくしてくれたのはローだから笑って聞こえないふりをした。
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