タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2024/08/19 ゾロ
虹色の絵筆で描くもの・一度でいいからキスをください・下唇の柔らかさ
※夢主がちょっと緩い
※19ゾロ
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「お前、おれには絡まないよな」
「えっ、いっぱい喋ってるよね」
ゾロがこっそり酒瓶を持って見張り台へ登ったのを追いかけて頭を出した私にそんなことを言われて目を見開く。今だってこうして梯子を登って話しかけにきてるのに。ゾロはたまに笑ったり相槌を打ってくれたりするけど、基本的に私ばかりが喋りかけてる関係性でこんなことを言われるとは思わなくてどうすればいいのか戸惑う。首だけ覗かせている状態から進んでもいいのか、それともさっきのは遠回しすぎる絡んでくるなと言う意思表示で首を引っ込めるべきかわからなくて眉を下げる。
「素面の時じゃねェよ」
こっち来い、と酒瓶を握っていない方の手の人差し指でくいくいと呼び寄せられて、絡んでくるなと言う遠回しな意思表示じゃなかったことに安心して足を動かす。ゾロの隣に座ってどういうこと?と続きを促した。
「酔ってる時、おれには絡まないよな」
呂律も回んねェくらいぐでんぐでんに酔っ払ってるくせに、と重ねて責められるように言われて瞬く。気付いてたんだ、と驚いて、それから責められてる理由がわからなくて首を傾げる。
「…………お前、酔っ払うと誰にでも近くなるのに、おれにだけ絡まねェのは、……おれのこと嫌いだからか」
「…………えっ?! そんなわけないよ!!」
まさかの思考回路に一瞬何を言われたのかわからなくて固まってしまったせいで、ゾロの顔が悲しげに歪んだから大慌てで首を振る。そんなわけない。
「……じゃあなんで酔っ払ってる時はおれに近寄ってこねェんだよ。酔うと絶対に近寄ってこねェのは事実だろ。……嫌いじゃねェってのが嘘じゃねェなら、理由教えろよ」
じっと力強い目で見つめられて視線が泳ぐ。嫌いじゃない。当たり前だよ。そんなわけない。でもその理由をあんまり言いたくなくて口籠もる。だって、自意識過剰な理由だから。それでもゾロの顔がどんどん歪んでいって大慌てで口を開いた。
「……だってゾロ、……その、……本気にするでしょ?」
でもやっぱり、言いにくくて濁してしまう。ゾロの表情が訳がわからないというように崩れて、とりあえず悲しみが吹っ飛んだことに胸を撫で下ろした。でもやっぱりこんな訳の分からない言葉じゃゾロは許してくれなくて続きを促す視線に俯いて目を逸らす。深呼吸して、覚悟を決めた。
「ゾロは、しっかりしてるから、……あんまり距離縮めると、責任取ってくれようとする、でしょ?」
「…………なんの」
「酔ってる時のちゅーとかは冗談なのに、ゾロはそれもちゃんと責任のひとつに含めるでしょ……? その、それはお互い困るから、……最初から近付かないようにしてる、……誤解させてごめんね、酔ってる時に近寄らないのは嫌いだからなんかじゃないよ」
酔うと楽しくなっちゃって無駄に距離を縮めてキスをする私の悪癖のせいで、ゾロが変な勘違いを起こしてしまったことに反省して暫くお酒はやめようと心に誓う。ずっと無言のままのゾロにちらりと視線を向けた瞬間、ばっちり目があって驚く。
「………………エロコックにもしていつも本気にされてるだろ、あいつはよくてなんでおれは駄目なんだよ」
なんで掘り下げるの。
「…………サンジくんは、本気にしてるようでしてないから…………ゾロはほんとに責任取ろうとしてくれるでしょ……?」
「ぐるまゆは本気にしてるだろ」
「してないよ……」
その場では確かに溶けちゃってでれでれ楽しそうにしてるけど、朝起きておはようって言う時にはもういつも通りでサンジくんは私のそれがノリだってことわかってるから昨日のことなんて話題にものぼらない。
「ちゃんとゾロにはこれまで通り酔ってる時は近寄らないから、」
「なんでだよ」
「……? いや、だから、……お互い困るだけだし……」
「おれは困らねェ」
「? ちゅーされても平気ってこと?」
「ああ」
「ゾロそういうの大丈夫な人?」
「……そういうのが何かはわかんねェけど、飲んでる時だけお前が遠いのは嫌だ」
拗ねたように言われた言葉にぎゅうっと胸を鷲掴みにされる。それに、想像より融通が効いたらしいゾロに驚いた。てっきり冗談でも責任取ろうとしてくる古風な人だと思い込んでいたのに、ちゃんとそういうお酒のノリは適当に交わしてくれるんだ。なら、私だって宴でゾロに近寄りたい。いつも頑張って我慢してたけど、今度から何も考えないでみんなに近付いていいんだ。嬉しくて頬が緩む。
「今度お酒飲む時はゾロの横で飲むね」
「ああ、……なんなら今から飲むか?」
「グラスないもん」
「………………じゃあ今度でいい」
なぜかまた拗ねたゾロに首を傾げながら、今度の宴を思って胸を躍らせた。
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