タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2024/09/13 ゾロ
力の限り叫んだ思い・恋に落ちるギリギリ一歩手前・泣き声は届かない
※現パロ中学生くらい
※ゾロが本当に可哀想


「ゾロは好きな女の子できた?」
「興味ねェ」

 おれの答えにほっと胸を撫で下ろす姿を見て喜ぶ浮かれた心臓は随分前に死んだ。はじめてそれを聞かれた時、思春期の口が天邪鬼に否定して綻んだ笑顔にその場で思春期と天邪鬼を切り殺せなかった不甲斐無さに感謝することになるとは思わなかった。おれに好きな女ができないことにほっとするなんざ、脈有りでしかねェだろ、なんて浮かれたおれに次いで告げられた言葉はきっと告白もできないくせに一番近くにいることにあぐらをかいた天罰だった。
 この間までみんなただの友達だったのに急に告白されて気持ち悪かった。
 震える声で顔を覆って吐き出された言葉に息を呑んだ。この間までただ一緒に野原を走り回って遊んでいたのに、視線が気持ち悪くなった。そういう目で見られるようになってしまった。大人になんかなりたくない。男とか女とか関係ない子どものままでいたい。みんなただの友達だったはずなのに、と吐露する姿におれは何も言えなかった。何も言えるはずがなかった。おれも、お前に気持ち悪いと思われる感情をお前に向けていたから。
 興味ないと紡いだおれに相変わらずだね、と嬉しそうに笑って近寄る女に、ああだのうんだの気もそぞろな返事をして、そのどうでもよさそうな態度が嬉しいのかまた綻ぶ頬に目を逸らす。おれを安全で変わらない友達だということを何度も確認してほっとする姿は痛々しくて守ってやりたいのに、一番お前を気持ち悪い目で見ているのはおれで死んだはずの心臓が軋む。
 おれが女だったらお前を好きでも気持ち悪くなかったか? おれが女だったらお前のことを裏切らずに済んだか?
 今更くいなの気持ちがほんの少し理解できた気がして俯く。お前はおれが恋だのなんだのに無頓着でずっと変わらない男友達だと安心して身を委ねてくれているのに、おれはとっくの昔からお前のことを女友達としてなんて見ることができなくてお前を裏切り続けている。どんなに考えたっておれは女にはなれないし、お前のことを嫌いにもなれない。お前のそばにいるためなら何度だって恋なんて興味がないとのたまうおれは、お前の嫌う気持ち悪い男の一人でしかなかった。