タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2022/03/29


「そのお酒、あんまり好みじゃなかった?」
「あ?」

 いつもはその手が持っているのはコーラの瓶でしたっけ?と尋ねてしまいそうなほど豪快な飲み方をするゾロが、グラスにきちんとお酒をよそい、そして舐めるようにして飲むから思わず尋ねてしまった。ゾロが飲む度数は人外染みてて味見も出来ずにプレゼントしたけど、やっぱり一口でも含んでみたほうがよかっただろうか。米に合うよ、と店主さんが言っていたから、それだけでゾロの好みそうだと気持ちが先走ってしまった。

「今度からは味見してくるから」
「いや普通のやつがこれ飲んだら倒れっから」

 やめとけ、と慌てたように酒瓶を懐へ隠すように抱きこんだゾロに首を傾げる。でもいつもどんなお酒でも、ちょっとは味わうってこと知らねェのかとサンジくんに怒鳴られるほどすごい飲み方をするのに、はじめてそんな一口一口舐めるようにして飲むからあんまり良くない贈り物だったのかと申し訳なくなる。

「そんなに無理しなくてもナミちゃんの口に合うか聞いてみるから」

 何も取り返して捨てるわけじゃない。ナミちゃんの口にも合わなかったら次はサンジくんのところへ持っていって料理に使えるか聞いてみる。舐めるように無理して減らさなくても、そう思って手を差し伸べるのにグラスも酒瓶も一向に差し出さないゾロに焦れる。

「……無理とかじゃねェ」

 苦渋の表情で唸るように呟くから思わず笑ってしまう。そんなにプレゼントに配慮してくれるだけでプレゼントのしがいがあったし、次はゾロを連れてゾロの好みを直接聞きながらお酒を買おうだなんて図太く思う私にそこまで気を遣ってくれなくても大丈夫なのに。

「……これを飲んでる時はお前がいてくれるんだろ」
「え?」

 ゾロに近付こうとあげた腰がまた地面に吸い寄せられる。ぐぅ、と敵と対峙してる時ですら見たことがない切羽詰まった顔色のゾロが、懐へ仕舞い込んだ酒瓶を取られまいと抱え直して瞬く。

「……これを飲んでる時はお前、付き合ってくれるだろ。だから、その、……ゆっくり飲めばお前と長く過ごせる、から」

 ゾロの険しい顔がどんどん赤く染まっていく。どんなに飲んでも顔色も変わらず酔いもしないゾロが、まだ三口くらいしか舐めていないのにアルコールで赤くなるわけがない。じゃあゾロが、今ゾロが、赤くなっているのは、

「お前と一緒に居てェだけだ。……みみっちい男で悪かったな」