タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2022/03/30


「ああいうの見てて悲しくならねェのか?」

 おずおずと、だけど勇気を持って出したんだろうということがわかる声色で尋ねられて横に並んだウソップを見る。案の定これ言っていいやつだったか、傷付けてないか、言わなきゃよかったと汗をダラダラ視線をうようよ彷徨わせながら船縁に手をついて今にも逃げ出しそうなウソップに思わず笑った。

「最初はやっぱりちょっと悲しかったよ」

 島に着くたびに、愛しのレディたち〜、と目をハートにして行き交う女性に声をかけるサンジくん。好きな人が知らない女性にときめく姿を見ては心を痛めた。
 私の返事を聞いたウソップの汗が更にひどく流れ出して慌てて付け足す。

「今は平気だから大丈夫だよ」
「ほ、ほんとか? 無理してないか? おれたち今から島散歩するんだけど、ついてくるか?」

 たち? 不思議に思って振り返れば隠れているつもりのチョッパーが見えて瞬く。チョッパーにまで心配してもらってたことに頬が緩んで、だけど首を振る。

「ここ、特等席なの」
「な、なにが?」
「サンジくんがよく見えるから」

 サンジくんに視線を戻せばまた振られてしまったのか崩れ落ちて落ち込む姿が見える。だけど横を知らない女の人が通った瞬間すぐにまた立ち上がって楽しそうに目をハートにしながら語りかけている。

「サンジくんの愛って無限でしょ?」
「無限っていうか見境がないっていうか」

 アッ、と正直な口を両手でおさえて私の様子を伺うウソップに笑う。あ、また振られて落ち込んでる。視界の先のサンジくんのラブハリケーンの忙しさに頬が緩む。

「サンジくんの無限の愛がたった一人に注がれたら溺れちゃうだろうから全世界のレディに振る舞うくらいがきっとちょうどいいんだよ」