タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2024/11/12 ゾロ
離れないで、離さないで・全てを忘れさせてください・手招きする指の美しさ
※ボツ
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「怪我したのか」
重たい足音が響いて、どこか焦ったような声と、ふしくれだった皮膚の感触が頬に触れて驚く。悪い、と急に触れたことに謝りながら引いていったゾロの手を視線で追いかけられないせいで引き止めようとした手がからぶる。放り出された手を哀れに思ってくれたのかぎゅ、と慣れない手つきで手を握りしめてくれたゾロにようやくホッとした。目が見えないことがこんなに不安を掻き立てるものだなんて知らなかった。
「……怪我、したのか」
「ううん、さっきの戦闘でなんだかぴかぴか光る人がいたでしょ?」
「ああ、あの眩しいだけで地味に鬱陶しい能力者か」
「結構な光量を間近で見ちゃって目が痛かったから、チョッパーに診てもらって目を休ませてるの。見えないことはないんだけど、目隠ししてもちょっとちかちかしてて。怪我じゃないよ、心配かけてごめんね」
「……怪我じゃねェこたねェだろ」
動けねェんだろ、と顰めっ面が想像できる声が聞こえて思わず頬が緩む。動けないことはないよ、と握られたゾロの手をぶんぶん振ってみても、そういうことじゃねェ、と斬り捨てられて今度こそ笑い声が漏れる。さっきまで見えないことが不安だったけど、今は見えないからこそゾロの気持ちが音になっていつもよりわかる気がして安心する。だけど私の不安が薄れるほどゾロの苛立ちが増えていってて首を傾げる。
「おれの責任だから、おれがお前の目になる。……なんか必要なもんがあるならおれに言え」
「……なんでゾロの責任になるの?」
覚悟を決めたような重たい音に一瞬呆気に取られて、ゾロの言葉を不思議に思う。なんでゾロの責任になるんだろう。唐突に現れた敵船に真っ先に駆け出していって、少しでもサニー号に踏み入らせないようにしてくれたゾロはしっかりいつものように私たちを守ってくれたし、ゾロの落ち度なんて少しもなかった。今日は船一隻との戦闘だったから船から船へ迷子になることもなかったし。だからゾロがそんなに気にする必要なんてないはずなのに。
「……眩しいだけだからって後回しにしたからこんなことになったんだろ」
こんなこと、といいながら包帯越しに柔らかく触れられた指が震えてる気がして、握られたままの手も、その手も、まとめてぎゅっと握り締めた。いつもよりほんの少しだけ働き者の耳が息を呑む音を聞き取ったけど無視。
「ゾロは悪くないよ」
「……今回はそいつが光るだけだったから運が良かっただけで、もしかしたら死んでたかもしれねェ。おれの判断ミスだ」
「ゾロだけじゃない、みんな、私だって最初はぴかぴかしてて綺麗だね、って呑気にしてたよ」
「……お前は呑気に笑ってるだけでいいんだよ。おれがいる限り、そうであるべきなんだ」
私の言葉なんて少しも届かずに反省しきりのゾロに困ってしまう。仮にも乗り込んできた敵船員に呑気にしてた私の自業自得でしかないのに、責任感の強いゾロに押し負けてしまいそうでどうにか踏ん張る。
「でもゾロ、」
「次からは、絶対にこんな目に遭わせねェ」
踏ん張ろうとしたのに、覚悟を決めたゾロにはやっぱりかけらも届かなくて言葉を遮られてしまった。ひゅ、と唐突な浮遊感に喉が鳴って、いつの間にか解かれていた手で目の前の壁をぎゅっと掴んでバランスを取って気付く。これ壁じゃない、ゾロだ。ゾロが私を片腕で抱き上げている。
「とりあえず、今はおれがお前の目だ。どこに行きてェ? 喉乾いてねェか? トイレか?」
「まって、まってまって、大丈夫だから、ねえ、どこ行くの?!」
ゾロが歩くたびに振動が伝わって、保健室の扉が開いて外に出たのがわかった。だけどまだちかちかしてるだけの包帯に隠された視界じゃ今どこにいるのかが把握できなくて不安で落ち着かなくなる。
「ねえ、別にどこも行きたくないよ、ベッドで休んでるから、戻って、ぞ、ぞろ?」
「遠慮すんな」
遠慮じゃないよ、と叫んで壁兼ゾロにしがみつくしかできなかった。
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