タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2024/12/10 スモーカー
縋りつけよ、欲しいなら・どうしてこんなにも、・愛で地球は救えなくても僕は救えます
※ボツ
※なんでも許せる人向け
※転生
※ボツ


「好きだ」
「だからその、無理なんですってば……」
「何が無理なんだ、それを言えって言ってるだろ」
「うう、」

 そんなの、言えるわけがない。あなたは前世で海賊の私を忌み嫌ってたんですよ、なんて、そんな馬鹿みたいなこと言って今の穏やかな世界から変な目で見られたくない。

「お前もおれのこと好きだろう」
「ひい」

 スモーカー以外から言われたら鳥肌が立つし恐怖でルフィたちに助けを求めるけど、なにせ本当のことだから逃げ場がない。違います、なんて震える声で言ったって真っ赤に染まる皮膚や好きなものを見て瞳孔が開いてしまう目が明らかに好意を示してしまっていて信じてもらえない。受け入れてもらえるとばかり思って告白して私がこんなだから次にいけないスモーカーの気持ちもわからないでもないけど、早く諦めてくれないかな、なんて酷いことを願う。だって、私は海賊だった。スモーカーは海賊が嫌いな正義の人だった。今の私は海賊じゃない。だけど、スモーカーが海軍じゃなくても正義の魂を持ち続けてるように、私だって海賊の魂を持ち続けている。今の平和な世の中で前みたいな海賊行為をしようとしてる訳じゃない。ルフィだってみんなを守る消防士になって、それでも自由に生き続けている。だけどやっぱり、何も知らない今のスモーカーと、覚えてしまっている私じゃ認識の差がありすぎる。海兵のスモーカーはきっと、私のことを好きにならない。私が海賊の頃は恋愛感情ではなかったけどそれでも海兵のスモーカーに好感を持っていたし、だからこそ今熱烈に押しに押されてころっと恋愛感情に転んでしまった。でもスモーカーは、全ての海賊を嫌ってくれていた。あの時代にあそこまでまっすぐ正義を走り抜けられた人は本当に珍しくて、だから、だからそんなスモーカーが今、海賊の魂を持つ私を好きになってしまったことに混乱する。海兵じゃないけど今だって曲がったことが大嫌いで、正義の魂を持っているはずなのに、どうして。あの頃はあんなに私のことを嫌ってくれていたのに。

「む、無理なものは無理……」
「お前だっておれが好きなくせに何が無理なんだ」

 私のことを嫌いだと睨みつけていた目が、私のことを好きだと見つめてくる。いつかきっと思い出す日が来る。正義の魂を持った人を汚したくなくて、今日も崖っぷちに立ちながら首を横に振った。

  ▼▼

「ケムリン、覚えてるよな? なんで覚えてねェふりすんだ?」
「なんのこと言ってるんだかわかんねェな」
「……まあ別に今も昔も悪いやつじゃねェからいいけどよ〜……仲間泣かせたらまた大暴れしてやるからな」

 相変わらず馬鹿なくせに変なところで鋭い男の背中を睨みつけてため息をついた。あいつはやると言ったらやる男だ。昔に散々してやられた苦い記憶を思い出して舌打ちをする。覚えてるに決まってんだろ。最後の最後まで振り回しやがって。あんな強烈な人生、忘れる方が難しい。だが、おれは昔海兵で、あいつは海賊だった。絶対にこの手で捕まえてやると思っていたのに逃げられた。だから今世では絶対に逃がさない。
 昔のお前は海賊で捕まえるべき存在だった。今のお前は海賊じゃない。なんのしがらみもなく愛せる。だから押しに押して、お前もおれを好きになってくれたはずなのに、無理だとのたまう。それはやっぱりおれが海兵だからだろ。あの頃、お前は別におれのことを好きでもなんでもなかった。でも何も知らないふりをしてるおれのことは好きになってくれた。だからおれは昔のことを覚えていないふりをする。おれが昔を思い出さなきゃお前は今のおれを好いていてくれる。なりふりなんか構ってられるか。