タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2025/03/17 スモーカー
夢は夢のままで・舌の先が痺れるほど・一緒でいい、一緒がいい
※ボツ
※なんでも許せる人向け


 いつものように暗い寝室に静かに潜り込んだ瞬間、自分の立場も考えず酒の匂いに眉を顰めた。すうすうと気持ちよさそうに寝息を立てる恋人から酒の匂いがして、ベッドに腰を下ろして頬を撫でる。眠っているから体温が高いのか、それとも、酒気で体温があがっているだけなのか、見ただけでは判断がつかないが頬を撫でても起きないほどぐっすり眠っている時点で酒の力が強いんだろうなとため息を吐こうとしてやめた。仕事仕事でずっと恋人をほったらかしにしているおれに責め立てる権利なんざ一ミリも存在しない。酒に呑まれてソファで寝落ちしていたら流石に心配にもなるが、きちんとベッドで体を休められているなら大丈夫だ。べたべた触っていたせいでむずがゆそうに手を払いのけられてショックを受けるおれの方が叱られるべきで、呆れて笑う。休んでいてほしい。でも目を見たい。起こしたい訳じゃない。でも声が聞きたい。どこまでいっても自己中心的な考えしか浮かばない駄目男は、いつフラれたっておかしくない。別れたくない。お前におれは相応しくないのはわかってる。おれなんかよりお前を幸せにしてくれる男は星の数より存在してる。でもおれはお前じゃなきゃ嫌で、もう手放せない。その癖、こうやって独り寝をさせる不甲斐ない男だ。

「……ん、」

 手を払いのけられたくせに性懲りも無くもう一度触れたせいで、くすぐったそうに身をよじって瞼をぎゅうっと強く顰めた恋人に期待する。起こしたくない、なんて言いながらやってることは正反対だ。

「すも、か、くん?」

 ぎゅうぎゅうと瞼に力が入って、ゆっくり覗いた目に嬉しくなって身を屈めて額に唇を押し付けた。さっきみたいに嫌そうに払われることなんてなくて安心する。

「みつか、っちゃっ、た」

 ふふ、とまだ覚醒しきっていないふわふわした音で紡がれた言葉に眉を顰める。なんだ。なにかやましいことでもあるのか。

「おさけ、いっぱいのんだの」
「そうか……男でもいたか?」

 見つかっちゃった、と言うからには隠したいことがあったのかと勘繰ってしまう。こいつが、そんな不誠実なことをするはずがないのに。

「すも、かくんの、かくしてたおさけ、ぜんぶのんじゃった、」

 ふふふ、と楽しそうに紡がれた告白に瞬く。

「のみっぱなし、で、ごみすても、してないの、」

 そうなのか。まっすぐに寝室に向かったから何も気付かなかった。寝惚けているのか酔っ払いなのに子どものようにあったことを教えてくれる恋人の額にもう一度唇を引っ付ける。

「それから、ええと、……せんたくもしてないし、そうじも、ごはんもつくってない」
「そうか、……具合でも悪かったか?」

 今日一日のスケジュールを全て教えてくれそうな勢いで、なんにもしなかったの、と眠そうに呟く姿に心配になる。家事なんか別にしなくていい。お前がおれと一緒に住んでくれるなら、全部おれがなんとかする。だがそんなことを言ったって聞きやしない恋人が自ら宣言する全てに心配になる。唇を引っ付けるんじゃなくて手のひらをくっつけて体温を測ろうと思っても、酒の力と睡魔の力で温かくなっている体じゃ判断できない。

「さみしいけど、げんきだよ」

 だいじょうぶ、と長い瞬きと共に優しく落とされた音に緩みきっていた心臓を切りつけられた。責め立てられる方がいい。健気に耐え忍ばれる方がきつい。責められても、耐えられても、おれの帰る時間は変わらない。それでもお前にはおれを責める権利はあるはずだ。

「すもーかーくんは、げんき? けが、してない?」
「してねェ、…………お前がいるからおれも元気だ」

 お前がここからいなくなったら元気じゃなくなる。いつも不安だ。暗い部屋にお前がいるかどうか確認するのに胃が痛む。今日こそおれに愛想が尽きて家から出ていってるんじゃないかと気が気じゃない。お前が黙って出て行くわけがないのに。誠実な女だから、お前がおれに愛想を尽かしてもきちんと顔を合わせて話し合って、それから出ていかれる。寝惚けてても酔っ払ってても、相変わらずおれの心配ばかりして、今だって良かったと微笑んで嬉しそうにしてる。

「あと、……あと、……まだ、すもーかーくんにおかえりもいってない」

 逸れた話題の続きが始まったのか言われた言葉に瞬く。そうだな、言われてない。おれも言ってなかったのを思い出して口を開く。

「ただいま」
「お、…………いってあげない」

 反射的に紡ぎそうだったそれを口を手で抑えてまで言うのをやめた恋人に一瞬で血の気が引く。出て行かれることばかり心配してた。おれが追い出される方が簡単なのに。おれにはそんなに荷物はない。この部屋で暮らす時間だって当たり前にお前の方が長い。おれの帰る家じゃなくなったから、おかえりを言ってくれないのか? 聞きたいのに、決定的な言葉を返されたくなくて黙り込む。

「わたし、わるい?」

 申し訳なさそうに目を逸らしながら言われた言葉に固まる。全部おれの自業自得なのに、なんでお前がそんな顔するんだ。お前は何も悪くないだろ。

「……いいや、お前ほど良い女は見たことがねェ」

 心の底からそう言ったのに伝わらない。

「じゃあ、もっと、がんばらなきゃ、」

 それどころか、必要以上に頑張ろうとする健気な恋人に罪悪感でいっぱいになる。

「だって、わるいことしたら、すもーかーくん、わたしのこともみてくれる、でしょ?」






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ツイッターで呟いてたこれを書こうとして別物になったけどこれを置いとかないと技術がないせいで何が書きたかったのかあまりにもわかりにくいので置いときます

すもやんと付き合える女の子だから倫理観も正義感もしっかりしてるけどそれでもあまりのすれ違い生活にもちろん本気じゃなくてちょっとだけ困らせてやろうと「悪いことしたら私のことも見てくれる?」って言われて罪悪感に押しつぶされて呻くすもやんはちょっと可愛いと思う
ただでさえ忙しくて構えないし構ってもらえないしいつフラれてもおかしくないのに、別れ話じゃなくておれに構ってもらうために悪いことをしようとする恋人にまだ見捨てられてないって嬉しく思ってしまった罪悪感としっかりしてる恋人にそんなことを言わせてしまった罪悪感といろんなものがないまぜに
なって膝ついて呻くから、あまりの効果にちょっと困らせたかっただけの恋人が慌ててごめんね冗談だよ仕事してるスモーカーくんが大好きだよって慰めてくれるから、喜んじゃダメなのに喜んでしまう罪悪感にずっとうめいてるすもやん