タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2025/05/15 クロコダイル
ひた隠した思いが裏目に出て・やわらかくてあたたかい・解けたリボン


 大きな首に布を優しく巻き付けるのにも震えなくなってようやく意識や視線をほんの少しずらすことができるようになった。今までは、少しでも不快にさせたら砂にされてしまうかも、なんて恐怖で目の前の布と首にしか目がいかなかった。だけどクロコダイルさんは、震えた手が勢い余ってほんの少し強く皮膚を締め付けてしまってもその喉を愉しげに鳴らすだけで、私のことを一向に砂にはしようとしなかったから油断した。ちら、と視線を動かした瞬間、獲物を狙うような鋭い目で私をじっと観察していたクロコダイルさんと目があって仕事も忘れて固まる。

「慣れちまったのか、残念だ」

 クハハ、と愉しげに笑いながら紡がれた言葉に目が泳いでまた指が震えだす。私のそのみっともない姿が面白いのかくつくつと揺れるからその度に私の指がクロコダイルさんの冷たい体温を感じて心臓が変な音を立てる。

「おれの首をへし折らねェように丁寧に頼むぜ、お嬢さん」

 力いっぱいこの布を引っ張ったところで私なんかの力じゃ痛くも痒くもないくせに。