タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2025/05/16 ロー
じりじりと焼け焦げる・夢でなら逢える・泣かないで、愛しい人
※ローがちょっと可哀想
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「……ローはそういう無責任なことしないと思ってた」
落胆した声が降ってきたことに固まって、どうしたの、僕、とかけられた甘く優しい声に返事ができなかった。シャチやペンギンが悪ふざけで渡してきたしろくまのぬいぐるみを抱きしめながらサイズが合わなかったせいでいつもとは少しだけ被り心地の違う帽子で顔に影を落とす。そういう無責任なことしないと思ってた。その言葉が小さくなった体を思い切り突き刺して息ができなくなりそうだった。
「迷っちゃった?」
しゃがみこんで優しく話しかけてくる女に何も答えられない。無責任なことしないと思ってた。その音の冷たさと、今の優しい声が結び付かなくて、脳みそまで子どもになってしまったかのように唇を噛み締めることしかできない。
信じてもらえなかった。荒唐無稽なことばかり起きるグランドラインだ。女になったり子どもになったりが至極当然に起きる世界で、だから、風貌が似たような子どもを見つけたら隠し子の確率よりグランドラインの力が働いてる確率の方が高いはずなのに、真っ先におれの身持ちの軽さを疑られてしまった。
「うーん、……どうしようかな」
返事をしない子どもに困ったように笑う気配がして帽子の影から盗み見ようとして、おい、と甲高い声が後ろから聞こえて反射的に振り返る。一本の白い刀を抱えた小さなゾロ屋に眉を顰める。あいつもか。こいつがここにいるんだから他の面々が揃っているのは当たり前なのに今更その事実に気付いて眉根を顰めた。ゾロ屋のことも疑うのか、とずっと視線を逸らしていた女の顔を見上げて固まる。
「ゾロ! なんでちっちゃくなってるの?!」
ひとつも疑う気配のない言葉がまっすぐ放たれて心臓が痛む。なんでゾロ屋は信じて、おれのことは信じてくれない? おれはそんなに身持ちが軽そうか? 子どもを産ませて責任も取れないような男に見えるか? 小さくなったせいで体の仕組みもおかしくなったのか、鼻がつんと痛くなる。
「あ? トラ男に聞いてねェのか?」
「え?」
「よくわかんねェけど、この島じゃ剣士は小さくなるんだってよ。なんか昔に剣士同士がいざこざ起こしてカミサマが怒った呪いだとかなんとか。関係ねェのに迷惑極まりねェよな」
な、トラ男、と小さくなって表情筋が柔らかくなっているのかにっかり笑われて呻く。
「え、……この子、ローなの?」
「そうだろ。……あ? ただの他人の空似か? いや、呪われてんだよな?」
な、と幼いゾロ屋に顔を覗き込まれて顔を逸らした先で、ずっとおれを見守っていた女とばっちり目があって固まった。
「トラ男だろ、これ」
「……えっ、でも、喋ってくれなかったから、」
「……おまえが、おれのこと、むせきにんなくそやろうだってうたがってきたから、……きずついてただけだ」
ゾロ屋は小さくなってもしっかり喋れてるのに、おれの言葉はどこか舌足らずで、余計に惨めになって俯く。
「よりにもよってお前がトラ男のこと疑ったのか? 酷い女だなァ……」
え、え、と狼狽する女にじっとりした視線を向けたゾロ屋に傷心も忘れて固まる。よりにもよってってなんだ。おい。どういうことだ。なに。バレてるのか。え。よりにもよって刀一筋で色恋沙汰のいの字も知らねェようなゾロ屋に?
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