タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2025/06/04 スモーカー
さざなみが湧き起こる・肩口に鼻を埋めて・愛の重さは500グラム
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「つかまえた!」
「あ?」
おれの周りをうろちょろとしてやがんな、とは思っていたが答える気はなさそうだったし邪魔にもならないから放置していた女が声高に叫んでさすがに視線を寄越す。何かを捕まえたのか胸に瓶を抱いて満足そうに帰ろうとした姿に違和感を持って首根っこを反射的に引っ掴んだ。
「おいちょっと待て、なに持ってやがる」
離してとじたばた足をばたつかせる女を本格的に掴み上げて体をこっちに向けさせた。ぎゅうっと胸の中で大事そうに抱えられた瓶を睨みつければ睨みつけるほど隠そうとするから確信する。
「返せ」
「やだ」
「それおれだろ。虫でも捕まえたみたいな言い方しやがって」
虫よりよっぽど扱いはいい気はするが、そもそも人様の一部を勝手に捕まえて帰ろうとするな。煙になった瞬間、おれの一部を瓶に閉じ込めていたらしい。こいつが捕まえただのなんだのはしゃがなければ気付かなかったかもしれない本当に些細な違和感にため息をつく。
「……いたい?」
「痛くはねェよ」
「……苦しい?」
「別に」
「じゃあよかった」
胸の支えが取れたような笑顔に馬鹿じゃねェかと舌打ちをする。何も良かねェだろ。
「返せ」
「やだ」
「………………それ持って帰ってどうするんだ。煙だぞ、ただの」
「人間のスモーカーくんは私と一緒にいてくれないけど、煙のスモーカーくんなら私とずっと一緒にいてくれるから持って帰るの」
返さないから、と涙に震える声に固まって拘束の手が緩んだのを見逃さなかったのか即座に逃げ出した女の背中を呆然と見送ることしかできなかった。
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