タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2025/09/02 ロー
鼓膜を擽る大好きな声・不必要な自己犠牲・涙はいつか止まるもの


「ローくんは私に不満、ある?」
「ある」

 ぎゅうっと後ろから抱き枕のように抱きしめられて、ちゅ、ちゅ、と至る所にキスされていた状況で、冗談のように紡いだ言葉に即答されたから瞬く。現在進行形でこんなにも愛されているのに、不満、あるんだ。なんだってかわいい、愛してると褒めそやされて甘やかされていたから現実味が湧かなくて傷つくこともない。

「たとえば?」
「嫉妬とか、全然してくれねェ」
「……それは、」

 肩口に額をくっつけられて拗ねたように囁かれた声に戸惑った瞬間、更にぎゅうっと痛いほど抱きしめられて呻く。

「おればっかりが好きみたいだ」
「そんなことないよ、だいすき」
「じゃあなんで嫉妬しないんだ」

 おればっかりだ、とまた落ち込んだ声が聞こえて手探りで頭を撫でる。

「だって、どうすればいいの? 私、ローくんにすごく愛されてる自信があるもの。誰にどうやってやきもち妬いたらいいの?」

 ローくんの力が緩んだのをチャンスだと判断してごそごそ動いて向かい合う。私の肩に乗せていた額に髪の跡がついていて笑いながらそっと撫でる間も、ローくんは固まっていて私の言葉をしっかり飲み込めていないようだった。

「でもそっか、そうなるとローくんは私に愛されてる自信がないってことになっちゃうね。私だってローくんに負けないくらいローくんのこと愛してるのに」

 ぽかんとしたままのローくんにちゅ、と唇をくっつける。驚いたように口を引き締めて私を見下ろす姿に笑って何度も顔に唇を引っ付けてそれから困る。どうすればローくんは愛されてる自信がつくんだろう。

「ち、ちがう、そ、そういうことじゃなくて、」
「? どういうこと? 私はローくんが私を裏切るわけないから嫉妬しなくても大丈夫だもん。ローくんは私がよそ見しちゃうかもって心配だからおればっかりって思っちゃうんでしょう?」
「ぐ、ちがう、お前の、ことを、信用してないわけじゃない」

 私がキスをするたびに律儀に口を閉じて受け入れてくれるから言葉を詰まらせながらゆっくり返事を返してくれて首を傾げた。

「不満があるって言ったじゃない」
「……お、おればっかり好きだと思ってた、が、……そうじゃないって、いま、わかったから、も、もういい、」
「いま?! 今わかったの? 今までは伝わってなかったってこと? もういいって、私がよくないよ、だめ、もっとわかって」

 自信がないだけかと思ったのに、それ以前の問題だとわかって決心する。ちゃんと知ってもらわないと。