タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2025/10/10 ポルティア ガスト
恋しく思う気持ちはどこへ・恋に落ちるギリギリ一歩手前・下唇の柔らかさ
※ビルダー夢主
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「君は勘違いもさせてくれない人だ」
「?」
不思議そうに頭を傾けて僕を見上げるビルダーにため息をつく。忙しそうに街中を走り回っていて暇な時間なんて一秒たりともなさそうなのに、時折僕が絵を描く姿をのんびり楽しそうに眺めている。でもそれは僕だけじゃない。妹のジンジャーだってよく話し相手になってもらってる。アルバートだって。街のみんな、それぞれがビルダーとの特別な時間がある。だから、話もせずに僕の後ろで優しく見守ってくれる時間は特別扱いのようで、そうじゃない。みんなと平等に特別な時間を過ごしている。
「君にとっては僕もあのバカな豚も同じくらい大事な存在なんだろうね」
嫌味ったらしい言葉を吐き出したせいか、塗っていた青い空が暗く滲んだ気がして筆を置く。
「もちろん、みんな大好きだよ」
嫌味も通じないくらい、本当にみんなを特別に思う心に小さく笑う。いつからこんなみっともない嫉妬心に溢れてしまったのかわからない。気付いた時には醜い心になってしまった。この街に戻ってきた時、何も悪いことをしていない人間を責めるなんて間違いを二度と繰り返さないと誓っていたのに、この口が嫌味ったらしい言葉を吐き出してしまう。
「ガスト、どうしたの?」
「……別に、君はみんなが特別でみんなが大好きなんだなと改めて思っただけだよ」
そうだね、と不思議そうに頷く姿にまた小さく笑う。君は僕を選ぶことはないけど、誰もが特別だからみんなも選ばれない。
「ガストはジンジャーちゃんが大好きで、ジンジャーちゃんが幸せになるのを待ってるんだよね?」
「? ああ、そうだね」
急に話を変えられて今度は僕が不思議に首を傾げながら頷く。どうしていきなりそんなことを言い出したのかわからない。立場が逆転したなと思いながら理由を知りたくて目をじっと見つめた。
「だから私も待ってるの」
「?」
「ジンジャーちゃんが幸せになるのを」
「……ありがとう?」
言葉の意味がわからなくても妹の幸せを願ってくれていることはわかるからお礼を言う。妹のことも特別に大好きでいてくれる彼女にとっては当たり前の思考回路なのかもしれないけれど、兄として妹の幸せを願ってもらえるのは嬉しいから。
「ガストはジンジャーちゃんがどうなれば幸せだと思う?」
「……病気が治って、真実の愛を見つけたら、かな」
「病気はドクターの専門だから、私は薬の材料を集めたりすることしか手伝えないけど、……真実の愛は見つかってると思う」
その言葉に眉を顰める。いつ、どこで、誰と。言葉にしなくても僕の言いたいことがわかったのかまた口を開いたから耳を澄ませる。
「ガスト、お父さん、それから天国にいるお母さん。別に恋愛だけが真実の愛じゃないでしょう? 今だってジンジャーちゃんはいろんな人に愛されてるよ。私も大好き。それじゃあだめ?」
「……だめ、じゃないけど、」
言われた言葉はみんなをそれぞれ特別に大好きな彼女らしい価値観で否定することもできない。でも確かに僕たちがジンジャーに向ける愛も真実の愛だから、否定したくない気持ちも本当で言葉に詰まる。
「じゃあ次はガストの番でいい?」
「……何が?」
続けられた質問にまた首を傾げる。
「ジンジャーちゃんが幸せになるための一歩を踏み出したんだから、ガストも一歩進んでもいいでしょう?」
「別に……今でも僕は幸せだけど」
「その幸せに私も混ぜてもらってもいい?」
「……?」
混ぜてもらうも何も、この街で君抜きでどう幸せになるんだ。みんな君が大好きで、君の取り合いになってるのに。君は幸せの中心なのに。
「私はガストの真実の愛の候補に立候補したいの。ガストに恋をしてるから」
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