タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2025/10/19 ポルティア ガスト
行方知れずの恋・君には分かるまい・何よりも君が欲しい
※ビルダーじゃない夢主
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「君が道に迷ったあのとき妹に声をかけてくれて良かった」
腕の中にいる彼女のつむじに唇を落としてしみじみと呟く。この街に観光に来て迷った愛しい彼女の目に優しいジンジャーが映った奇跡に何度感謝してもしきれない。いつものように数歩後ろから見守る僕に直接声をかけてくれたとしてもきっと今の状況にはならなかったと思う。ジンジャーの病気や、街のこと、色々と背負うことが多すぎて、あの頃の僕にはきっとこの彼女を口説く余裕はなかった。ビルダーが来てこの街を正しく導いてくれてそれを追いかけるように奔走していたあの忙しい日々に、ジンジャーが彼女と友情を深めていてくれたから改めて兄として紹介してもらえて、紆余曲折もありつつもこうして愛を育めた。奇跡の重なりに感謝しながらつむじだけじゃなくて唇にもキスしたくて少し距離を離して見えた表情に固まる。どうしてそんな気まずそうに笑ってるんだ……?
「……僕と付き合ったこと、後悔してる?」
「え、いや、そんなことないよ! だいすき! でも、えと、改めて紹介してもらった時のことじゃなくて、初めて会った時のこと、そんなふうに覚えてると、思わなくて……」
彼女の中ではあの出会いは妹との出会いでしかなくて、僕との出会いは紹介された時になってしまっているのかと少し落ち込む。まあ確かに、あの時は僕の態度も悪かったと思うし、会話らしい会話だってしてないけど、……でも僕たちのはじめてはやっぱりそこだろう?
「……えと、……ごめん、……あの時のこと、ジンジャーちゃんから聞いてない……?」
「?」
聞いてないも何も、あの時その場にいたんだから何を聞く必要があるんだ。そんな僕の疑問が口に出さなくても伝わったのか目を泳がせる姿に眉を顰めそうになる。
「……あの時、声かけたの、迷ったからじゃないの」
「……ジンジャーと友達になりたかった?」
道案内は言い訳だと告げられて、思い浮かんだそれはすぐに首を振られた。気まずそうに俯いてしまった彼女に身を屈めて膝立ちになって顔を覗き込む。申し訳なさそうに歪んだ表情が、何か覚悟を決めたように変わってまっすぐ見つめられた目を見つめ返すことしかできない。
「……はじめて二人を見た時、女の人が変な男の人につけられてると思って、……助けようと思って声をかけたの」
「……え?」
「……ご、ごめんね、……嫌いになった?」
「嫌いになんかならない」
反射的に言い返して逃げられないように立って腰を抱き寄せる。今、僕、なんて言われたんだ。女の人、は、ジンジャーのことで、……じゃあ変な男の人は、僕のこと、。ポルティアのみんなは僕たちのことを知っていて、だから、そんなこと考えたことなかった。客観的に見れば僕は不審者でしかない行動をしていた。それをこの優しい恋人は見ず知らずの女性を助けようと道に迷ったふりをして間に入ろうとした。あの時、ジンジャーがものすごく楽しそうに声を上げて笑ったから、相性がいいんだなと驚いた記憶がある。あれはきっと兄を不審者扱いされて面白がったジンジャーの笑いで、その後申し訳なさそうにペコペコ頭を下げる姿は道を教えてもらった感謝のお辞儀じゃなくて兄を不審者扱いした人の謝罪だった。がらりと今までの印象と打って変わった思い出に穴があったら入りたくなって言葉が出てこない。
「……ジンジャーを守ろうとしてくれてありがとう」
「……とんだ勘違いだったから。……ごめんね、てっきり、もうとっくに知られてると思ってて」
「でもその勘違いのおかげで僕たちの今があるから、不審者に見えて良かった」
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