タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2025/11/13 スモーカー
猛毒にも似た君の声・小さな自己主張・わざと掛け違えたボタン
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「昨日のデート、楽しかったみたいね、ヒナ嫉妬」
「えへへ、……あっ、スモーカーくん関係ない話してごめんなさい!」
遠目に見えた好きな女の後ろ姿に若干早足になりながら近付いた先に聞こえた言葉に固まって、続け様に追い討ちをかけられた。おれの気持ちを知ってか知らずか面白そうに片眉をあげておれの様子を伺うヒナの腕を引っ張って逃げ出す女はさっき盗み聞いた言葉曰く、どうやら楽しいデートとやらを決行した。そしておれを見るや否やおれに関係ない話をしたからと謝罪して逃げ出した。おれには関係ない話だ。そうだな、……そうだ、おれには何ひとつ関係ない。好きな男がいることも知らない程度の関係性の女をおれが勝手に好きになっただけだ。そのまま会話を続けられる関係性すら築けてない、ショックを受けた顔を怒った顔だと思われて逃げられる程度の知り合いだ。
楽しかったのか。そうか。お前には関係ないと言われても、お前が幸せかどうかはおれには関係がある。お前が幸せになってくれないとおれは困る、だから、楽しかったならそれで良い。おれが罷り間違って宝くじが当選するかのようにお前とのデートにこじつけられたとしてもお前を楽しませる自信は全くない。どうせ緊張していつもよりさらに仏頂面になるだろうし、お前を笑わせる話術も何もない。だからこれでよかったんだ。
そう飲み込もうとしたおれの耳に女の足音が聞こえていつの間にか俯いていた顔を持ち上げる。ヒナをどこかに置いてきたのか一人で戻ってきた女が顔を真っ赤にさせながらおれの前に立って息を整えている。
「あの、……あの、関係ない話して、ごめんね、」
わざわざ追撃しに来なくてもさっきので十分追撃になったから少しは手心を加えてくれないか。
「でも、あの、スモーカーくんにもし誤解されてたら、困るから、その、……で、デートじゃなくて、ヒナちゃんが私で遊んだだけなの、女の子と、遊びに行っただけで、……スモーカーくんには関係のない、どうでもいい言い訳だろうけど、誤解、されたくないから、……そ、それだけ。ごめんね、関係ない話して」
それだけ、と真っ赤になってまた背中を向けた女の言葉を頭で何度も反芻して、理解した瞬間、凍り付いていた心臓が変な音を立てて暴走し始めた。
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