タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2025/12/12 サンドロック ローガン
普通の選択肢ばかりを選んだビルダー世界線


「ダーリンはあまり触れられるのが得意じゃないか?」

 いつもみんなのために駆け回るサンドロックのヒーローのビルダーは、オレの腕の中でだけ子うさぎのようになる。今にも逃げ出したそうに困惑していて可哀想だ。不安になったこともあった。無理して恋人になってくれたんじゃないかと。だがそれはあまりにも彼女に失礼すぎる考えで一瞬でかなぐり捨てた。でもじゃあ、どうしてどんな恐ろしい敵にだって誰よりも強く立ち向かう彼女がこんなふうになってしまうのか、考えに考えた結果がそれだった。
 何を言われたのかわかっていないのか、いつもの彼女が不思議そうにオレの腕の中から顔を覗かせて見つめてくるから見つめ返す。ついでにキスをした。その瞬間、また子うさぎに戻っておろおろする姿に眉を下げた。嫌がることはしたくない。でも、暇さえあれば彼女に触れていたい。

「……と、得意か、そうじゃないかで、聞かれたら、……あなた限定で、とく、得意じゃない」
「……うん?」

 胸元に逃げられて呟かれた声が体に届いてまるでさっきの彼女のように首を傾げる。声は聞こえたが何を言われたのかわからない。体に腕を回して抱き上げて持ち運び、彼女を膝に乗せてソファに座る。顔を隠せなくなったせいかまたおどおどと子うさぎに戻ってしまった。

「ろ、ローガン、……その、……す、すぐそういうことするから、その、……緊張する、」

 恥ずかしくて、と両手で顔を覆って呟かれた言葉に目を見開いた。恥ずかしくて、緊張する? 緊張ってなんだ。いや、知ってる。アンディやハル、ランボに焚き付けられなきゃ告白もできなかった。こんなに恐ろしい挑戦はないと緊張に身を震わせたあの夜のことを思い出す。それと同じように、サンドロックを救った英雄でもある彼女が緊張する? オレのせいで? 冷静に観察すれば耳は真っ赤で小刻みに震えている姿は確かに緊張に身を震わせる、オレと同じく恋に振り回されている人間の姿でしかなくてひっくり返りそうになった。