タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2025/12/05 スモーカー
飲み込んだ言葉の墓場・恋に落ちるギリギリ一歩手前・下唇の柔らかさ
※なんでも許せる人向け


「私とキスしたい?」
「してェ」
「スモーカーくんもそういう感情あったんだねえ」
「悪いか、男なら誰でもそうだろ」

 悪魔の実の能力者に厄介な能力をかけられていたのか私に飛びかかろうとした瞬間ヒナちゃんに海楼石でぐるぐるに縛られたスモーカーくん。いい加減鬱陶しいからと投げるように私にプレゼントされたスモーカーくんは地面に転がされた状態で私を見上げながら何故か堂々としている。海楼石で体がきっと重たいだろうにそれでもじりじりと私ににじり寄る姿がなんだか少し面白くて一定の距離を保つように意地悪をしてしまう。

「おい、なんで逃げる」
「キスされるから?」
「嫌なのか」
「ふふ」

 やっぱり嫌なのか、と拗ねたようにもう一度呟きながら諦めずに這い寄る姿が可愛くて意地悪で離れていた距離を詰める。そっと両頬を挟んで顔を上げて可愛いおでこに唇を押し付けた。

「あ? 場所が違うだろ」
「あってるよ」
「あってねェ。口にしろ、ちげェ、させろ」
「? 何か違った?」

 ほんの少し変わった文言に首を傾げる。結果は変わらないのにどうしてわざわざ言い換えたんだろう。

「しなくていい、おれがする」
「しない選択肢はないの?」
「ねェ。一回くらいさせろ」

 まるで一度もキスしたことのないかのような発言によくわからなくなる。意地悪をやめて、ちょんと唇に触れた。

「違う」
「? ちゃんと口にしたよ?」

 もう一度、ちゅ、と唇を引っ付ける。

「おれにさせろって言ってるだろ」
「ん? はい」

 ん、とスモーカーくんの唇の近くで目を瞑って待つ。がぶ、と大きな口が私の唇というより顔に噛み付いてきて思わず笑う。じっとしろ、と怒られて、はあい、と返事する。返事ができるということはやっぱり狙いが外れてて、口に口をくっつけられてない。ちょっとしたキスができないスモーカーくんにくすくす笑いながらじっと待つ。ちゅ、とようやく唇に蓋がされて目を開く。間近で合う視線に嬉しくなりながら私からもちゅ、と口を押し付けた。

「……できた」
「そんな初めてのキスみたいな顔しなくても」
「……初めてだ」
「?」
「おれからは、初めてだ」
「……そうだっけ?」

 首を傾げて考え込んで、やっぱり不思議に思う。そんなことないと思うけどな。

「…………ああ、いつもお前がしてくる、固まってる間に終わってる、おれからもしたかった、ようやくだ」