タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2026/05/18 スモーカー
友情の枠をぶち壊す・夢でもいい、触れられるのなら・研ぎ澄まされた爪と牙
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「お見合いは嫌かい?」
「あ〜……」
好きな女のどこか間延びしたような声が耳に届いて足が止まる。廊下の端で上官に見合い話を持ちかけられそうな姿に足が固まって、拳をぎゅっと握った。ここで、阻止できるような男じゃないから告白もできねェで長年拗らせている。
「付き合ってる人はいないんだろう?」
「そうですけど」
あんな良い女がフリーなこと自体奇跡なのに、その奇跡に言い寄ることができない卑屈な男は今日もまた、誰かのものになりそうな女を指を咥えて見ていることしかできない。見合いなんか行くな。そんなことが言えるような口があるならこんなところで固まってねェ。くそ。
「堅苦しいのが嫌なら一度会ってみるだけでもどうだい?」
「うーん、」
お前が少しでも嫌がる顔を浮かべてくれて、上官が嫌味な押し付けがましい男だったら割って入れるのに。世間話のような、和やかな雰囲気だから無理やり割って入ることもできやしない。くそ、と今度は舌打ちをしてしまう。廊下の端にいるあいつらには聞こえない。なのに、目があった。……気がした。一瞬でまた目の前の上官に視線が戻って、気のせいだったのかと俯きかけて、聞こえた声に再び顔を上げた。
「優しくて、かっこよくて、正義感の強い人じゃないと好きになれそうもありませんので」
「海軍にいるんだから大抵の男はそうだろう」
「どうですかねえ」
のらりくらりとかわした女にほっとする。それから、勝手に好みの男のタイプを盗み聞いてしまったことに罪悪感で目が揺れる。そんなつもりはなかった。……だが、よかった。お前の基準がそれで。お前には優しいやつが似合う。お前の横に立つなら見目がいいやつがいい。正義感の強い男じゃねェとお前を守れない。男を見る目はありそうで安心した。諦めきれないだろうが、お前が幸せになるならそれでいい。息を吐いて、前を見て、また目があった。今度は視線が外れない。……なんでだ。
「あっ、あと耳が良いっていうのも条件に加えてください」
「耳ぃ……?」
上官が素っ頓狂な声をあげているのが耳に入らない。あの女はおれが聞こえてるということをわかってて言ったんだ、とわかった瞬間に、首まで真っ赤になったのを自覚した。
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