タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/04/13
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ぴり、と舌が痺れた感触に眉を顰めた。まあ味は不味くはないけど、口の中が一瞬でも痺れるものはあまり体内に入れない方が良い気がする。同盟船のキャプテンを預かっているわけだから気を遣いすぎるくらいがちょうどいいだろう。
「ローこれ食べた方が良いですよ、えっ本当に!」
そう思って口を開いたはずなのに私の口から溢れたのは正反対の言葉だらけだった。私が本当に言いたかったのは「ローこれ食べちゃダメですよ、えっうそ!」という注意喚起であっておすすめしたかったわけじゃない。かろうじて行動は反対にならずに済んだのか首を全力で振って、私の舌を一瞬だけ攻撃したよく分からない果実の前に立ち塞がる。隈の濃いローは何やってんだこいつと言わんばかりに呆れ顔で私を見下ろしていて、その覚えのある視線にもんどりうちたくなった。だってその視線、うちのルフィが突飛な行動した時にする馬鹿を見る目だった。やめて。私にそんな視線向けてこないで。好き勝手に自分の意思で我が道を進む我らが王様のルフィと、私の意思ではない言葉を不思議な実のせいで不可抗力に紡ぐ私とを一緒にしないで。あっやめてったらその視線ほんと。
「……言動が伴わねェな」
「食べた方が良い!」
食べちゃダメ!
そう叫びたいのに口から零れ落ちるのはやっぱり真逆の言葉で、そんな私を見て重たいため息を吐くロー。
「おい、体の方は平気なのか」
「大丈夫!」
だけどさすが頭の良いお医者様なだけはある。言いたいことを察してくれるローに安心して、だけど私の口はまた元気に真逆のことを言ってしまう。慌ててまたぶんぶんと顔を横に振るけど、いや、別に舌が痺れたくらいで体に異常歯あるかって言われたら特に今の所正反対の言葉を紡いでしまうだけで異常はないな、と首を振るのを途中でやめて首を傾げた。
「おい、……」
聞くより診た方が早いと思ったのか、お医者様には不適切で不謹慎でしかない文字が彫ってある指を持ち上げられて口を閉じて身を任せた。のに今日一番の重たいため息と深い眉間の皺と盛大な舌打ちをされた。ため息と同時に舌打ちってどうやったんだろ、なんて間抜けなことを一瞬考えて、苛立たれたことに戸惑う。なんで舌打ちされたんだろ。今の私すごくお医者様の言うことをよく聞く優秀な患者でしたよね? チョッパーだったら逃げずに診察を受けるだけで泣きながら褒めてくれるのに。
「訳の分からないものを無警戒に食うな、馬鹿」
「ありがとう」
ごめんなさいと反省しようとしたのに感謝してしまった。まあ診察してくれたことには感謝してるからある意味やっと自分の気持ちを言葉に出せたようでほんの少し気が緩む。
「体に害はなさそうだ。体から排出されればその言動の伴わない奇行もおさまるだろ」
「やだ〜」
「何が良かっただこの馬鹿。結果的に大丈夫だっただけだろうが」
早速意思疎通まで完璧にしてくれるローの頭の良さににこにこ笑ってしまう。体に害がないとわかれば正反対の言葉を紡ぐだけで周りに説明さえすれば汲み取ってもらえるし特に困ることもないなと安心した。
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