タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/04/21
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「お腹空いたね」
「帰ったらすぐ作るよ、何が食べたい?」
今日はレディがMVPだからなんでもリクエストしていいよ、と笑うサンジくんに私の頬も緩む。相変わらずのルフィの暴走によって巻き込まれた闘争に私も必死で戦ったり逃げたりしたおかげでボロボロ。だけどサンジくんと合流したおかげでそこからはいつもの過保護なプリンセス扱いだったから敵の攻撃やらなんやら全てを私の代わりに受けてくれたサンジくんの方がよっぽどボロボロでMVPなのに私を褒めて持ち上げてくれるその姿勢に感服する。こんなに大暴れした日は休んでほしいな、なんてサンジくんと出会ってすぐの頃は思ってたけど、こんなに大暴れした日だからこそサンジくんから大好きな料理を遠ざけることは一番しちゃいけないことだと今では学んだ。リクエスト、リクエスト、と今まで食べた数々の美味しい料理を頭に思い浮かべるだけできゅるるとお腹から悲鳴が上がってしまう。そんな私を愛おしそうに見つめてくるサンジくんに照れて少しだけ頬が染まった気がした。夕陽が眩しいから、で誤魔化されてくれないだろうか。
「さ、サンジくんのご飯はなんでも美味しいから改めて考えると迷っちゃうね!」
「嬉しいこと言ってくれるなァ」
ただ優しく見守るその目についこぼした本心に更に柔らかく溶けた目に今度こそ耐えきれなくて思わず視線を逸らしてもごもごと俯いて、俯いた先に見えたネクタイに思わず手が伸びる。少しちぎれたネクタイに、シャツもそこかしこが千切れてしまっていて裁縫でどうにかなるレベルじゃなかった。服の中身のサンジくんにそこまで酷い怪我がなくてそれだけが救い。サンジくんを検分していた私を見下ろす気配に慌てて掴んでいたネクタイから手を離す。照れて気まずくなったくせに自分から距離を縮めるなんて私の馬鹿。手を離してサンジくんをちらりと見上げればやっぱり甘く優しい目で見つめられててまた視線が泳いだ。
「ネクタイもスーツも千切れちゃってるね」
「あーほんとだ、カフスもどっかいっちまってる。たく……わりと気に入ってたんだけどな」
無言で触ってしまったそれを今更言葉にすればきょとんと目を丸くして自分の出立ちを見下ろす。ようやく自分の現状に気付いたのか眉を顰めてあーあと袖口を見やるサンジくんに相変わらず人のことばっかり見て自分のことは後回しなんだなあと苦く笑う。
「ま、とりあえず帰ろうか」
「うん」
ごく自然に手を差し伸べてエスコートしてくれるから、自然に手を重ねてから照れてたことを思い出す。思わず笑ってしまった私に不思議そうに首を傾げるサンジくんになんでもないと言いながら船へと足を踏み出した。
「船に着くまでにリクエスト、決められるかなあ」
「じゃあちょっと遠回りしちまう?」
悪戯気に笑われて私も笑う。また調子良いこと言っちゃって。お腹をすかせたみんなに早くご飯を食べさせたくて仕方がないくせに。
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