タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/05/09
19歳サンジくん?
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「あ、ごめん」
「え?」
出会い頭におれがレディに傅く暇もなくなぜか謝られて瞬くことしかできなくて固まる。跪こうとした微妙な中腰のまま固まるおれが間抜けすぎたのかくるりと背中を向けられてドバッと目から液体がこぼれ落ちそうになった。え、なに、どうして急にそんな避けるみたいに。涙がこぼれ落ちることはどうにか耐え切ったけど中途半端な体勢が祟ったのか地面に崩れ落ちてしまって呻く。
「もう大丈夫?」
「だいじょうぶじゃない……」
急にレディにそっぽ向かれてばっきばきに心が折れて大丈夫なんてとてもじゃないけど言えない。頑張って耐えていたのにいつまで経ってもレディがおれの方を向いてくれないからとうとうぼろりと涙が流れて嗚咽をこぼす。
「えっ?! 泣いてる?! どうしたの?!」
「うえええ、レディがおれの方向いてくれないからァ……おれなにか悪いことしちまったの……?」
言葉にすれば余計に悲しくなってびええ、と地面に這いつくばって泣き喚く。レディの背中は可愛らしいけど、おれと視線すら合わせたくないと思っての行動で背中を向けられたなら悲しすぎてその可憐な背中は涙を誘うだけで情けなくて地面に視線を落とす。
「待ってごめんだって勝手に見ちゃダメだと思って」
「ひぐっ、な、なにを……?」
ばたばたとレディが駆け寄ってきてくれたのが嬉しくて、優しいレディに思わず顔をあげる。ばちん、と目があった瞬間に喜ぶ間もなくレディの愛らしい両手がレディの愛らしい両目を覆い隠していてぼたぼたと涙をこぼす。なんで、と呟く。だっておれが泣いてるのを心配しておれのそばに駆け寄ってくれて、なのにどうして、
「サンジくんはその、目、を、隠してるんじゃ……?」
「……え?」
瞬いた拍子にまた涙がこぼれ落ちる。目……? レディを倣って両手を自分の顔に当ててびしゃびしゃに濡れた感覚だけが両手のひらに伝わって首を傾げた。いつもなら触れるはずの髪の感触がなくて、あれ?と涙も止まる。そのまま髪に手を動かせばかつんと髪以外の何かに触れて思い出す。そういやさっきおまけでもらったけど私は使わないからあげるとありがたくもナミさんに頂いた髪留めがおれの髪についていて、普段あまり曝け出すことのない両目が全開になっていたのを忘れていた。でもそれがレディをおれを避けることとなんの関係が、……目?
「いつも両目見えなかったから、その、勝手に見ちゃいけないと思って」
両目を覆ったまま申し訳なさそうに紡がれた言葉に胸がぎゅっと押しつぶされそうになる。なにそれ、優しい。嫌われたわけじゃなかった、よかった。おれが目を隠していたと思っていたから、ただおれのためだけの行動だったことを理解してせっかく止まった涙が今度は歓喜に溢れそうになるのを堪える。
「レディ、おれのためにありがとう。でも別に見られたくないわけじゃないよ」
「……ほんとに……? 見ても大丈夫? 嫌じゃない?」
「嫌じゃないしレディと目が合わない方が大丈夫じゃない」
口元だけ見えるレディの口が安堵の息をついて両手を下ろしてくれて、両目と両目でしっかり目が合う。物珍しいのかきょろきょろとおれの右目と左目を行ったり来たりするレディの瞳におれの頬がどんどんだらしなく緩んでいくのがわかっても止められない。
「サンジくんの両目を見てもいいのは恋人だけだと思ってたの、変な勘違いしてごめんね」
綺麗な目だね、いつも隠れてるのが勿体無い、と褒めてくれるレディの声が遠くなる。なにそれどういうこと。今それに頷いたらレディはおれの恋人になってくれるっていうこと? だらしなく緩んだ頬も引き締まって訳がわからないままレディを見つめても答えは得られずに、レディだけがスッキリしたようにおれの両目を見て笑っていた。
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