タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2022/05/24


「サンジくんが淹れてくれるミルクってなんでこんなに美味しいんだろ」
「んんん光栄だなァ!」

 メロリーン!と人間の体の構造的にどうなっているのかわからない蕩け方をしながら喜んでくれるサンジくんに笑いながら手の中にあるマグカップにもう一度視線を落としてもう一口飲む。うん、美味しい。そしてサンジくんがいなかった時に飲んでいたミルクを思い出す。別に美味しくない訳じゃない。普通にミルク。作る工程だってサンジくんと変わらない。お鍋にミルクを入れて、ことことあたためて、砂糖を入れる。それだけ。私の知らない隠し味を入れたりもしてなかった。本当に一緒なのに、どうしてこんなにサンジくんのミルクは美味しいんだろう。一流コックさんだから? 確かにそれはそうだけど、ただのミルクなのに。不思議で首を傾げる私の横にサンジくんがいそいそと座って見上げる。

「そんなに美味しい?」
「美味しい」
「うれしいなァ」
「何が違うんだろ、一緒なのにな」

 うんうん唸る私を幸せそうに見つめるサンジくんは答えを知っているように頬を緩めていて瞬く。

「やっぱり一緒じゃないの? 一流コックさんだから素人には見えない素早さで何か隠し味入れたりした?」
「ふは」

 私も馬鹿なこと言ったなと思うけど、だってもうそれしか思いつかない。だけどサンジくんは楽しそうに笑いながらも首を振る。

「隠し味じゃないよ」
「?」
「だって隠してねェもん」

 頬杖をつきながら私のマグカップを指差して笑うサンジくんにただただ首を傾げる。

「レディへの愛情をこれでもかってくらい詰め込んでるだけ」