夜の誘拐事件


安室に付き添ってしばらく部屋を回っていると、至る所で盗聴器が発見される。コンセントに取り付けるタイプのもので、一見するとこれがそうなのか、と首を傾げてしまう見た目だ。
「あ、ここも…。安室さん、この部屋…」
「ええ、この部屋の中にもありますね。開けますよ…。」
寝室と思われる部屋の辺りで、携帯の音楽にノイズが入る。安室が持つ発見器も数値を示したようで、彼は扉をゆっくり開けた。途端、鼻腔を突く腐敗臭に小鳥は思わず口を抑える。
「な、何この匂い…!」
「…これは…。盗聴器はベッドの下のようですね…。」
「ん?スーツケースがあるな。安室、ちょっとどいてろ。」
安室を後に下げ、小五郎は寝具の下に押し込まれていたスーツケースを引っ張り出した。
随分重い…とボヤきながら留め具を外す。一息ついて、小五郎は中を開けた。
「っ、これは…!」
「ひ、人…!?死んでる!?」
ケースの中には小柄な男が押し込まれている。頭の打撲痕と異臭からして既に死亡しているのだろう。腰の抜けた小鳥は、思わず安室の服を掴む。
「小鳥さん、大丈夫ですか?」
「ちょっと、びっくりして…。それより、ここに死体があるって事はやっぱり圭さんが犯人なんじゃ…」
「そう、推察して間違いないでしょうね。」
小五郎は樫塚圭の携帯へと連絡をするが、案の定それは繋がらない。舌打ちをこぼした時に、彼の携帯はメールを受信する。
「圭さんからだ!『電話が来たと言うことは死体をみつけたんですね?警察に通報すればこの子の命は保証しません。』…!ボウズ!」
「そんな、コナンくん!」
彼女からのメールには、眠るコナンの写真が添付されていた。恐らく睡眠薬の類で眠らされているのだろう。
「とにかく、追いかけるにしても彼の居場所を突き止めなければ…」
「阿笠博士なら分かるかも…!追跡メガネのスペアがあったはずだから…」
「では蘭さんはその阿笠博士に連絡を!小鳥さんは僕と居てください。いいですね?」
「は、はい!」
蘭は電話、小五郎は部屋にあったパソコンを調べ始める。小鳥は安室に連れ添って寝室を後にした。
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