暴いた秘密
成沢たちと別れ、ひとり何処かへ行こうとする新一を小鳥は袖を引っ張って止めた。
「ちょっと、こっち来て。」
そのままズルズルと人気のない方へ引きずり込む。心配そうな顔をする蘭に、心中で謝罪しながら、小鳥は新一の足を踏んだ。
「いっ!?」
「ちょっと、どう言うつもり?なんで新一くんに変装してるのよ。」
「変装って…おいおい俺を忘れちまったのか小鳥?」
「…新一くんは二人きりの時、私の事『姉さん』って呼ぶのよ。」
「マジかよ。」
「嘘よ。」
騙された新一…もといキッドはため息をついて壁に寄り掛かる。
「あの小さい名探偵が工藤新一だって知ってるのは茶髪の嬢ちゃんと博士だけじゃないって事かよ…。」
「まさか…コナンくんには最初から正体バラすつもりで来たの?確かに顔のきく人間を装った方が潜入しやすいとは思うけど、なんだってそんな…ひっ!?」
不自然に伸びてきた彼の手に尻を撫でられた小鳥は小さく悲鳴を上げる。この男、気障な怪盗ではなくただの変態では無いかと睨みつければキッドは笑った。しかし、目の前に感じた殺気にすぐ真顔に戻る。小鳥も背中の威圧感に足を震わせた。
「すみません、この人僕のなので…触らないでもらえますか?」
獣をも射殺すような瞳で睨まれ、キッドは「は、はい…」と声を上げると一瞬でその場から消える。小鳥は追いかける間もなく安室に抱きすくめられた。
「れ、零さん…ちょっと苦しいんですけど…」
背中を叩いても返事が無い。いつもより少し熱い彼の身体をぽんぽんとしていると、突然体重が掛かって小鳥は倒れこむ。
「あれ?零さん?…零さん!?ちょ、誰か助けて〜!」
彼女の悲痛な叫び声が、人の居なくなった廊下に響いた。
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