犯行の手口


小五郎は一同をそれぞれの席に座らせると、樹里の遺体を2Aの席に座らせた。英理が樹里の上半身にシーツを掛ける。コクピットのドア近くのインターホンで機長と話していたチーフパーサーの進藤玲子は、客室に戻ると、小五郎に歩み寄った。
「機長からの伝言で、他のお客様が動揺しないように、空港につくまで事件の事は悟られないようにしてほしいとのことです」
「わかりました」
小五郎の隣に立っていた英理は、シーツに覆われた樹里を見つめながら怪訝そうに眉を潜めた。
「それにしても犯人は一体どうやって樹里さんに毒物を…」
「そりゃ、やっぱりチョコレートだろう!チョコを食べたとたんに倒れたんだから」
伴の言葉に、小五郎も「俺も同感だ」と英理を見る。すると真佐代が「そ、そんな!」と叫んだ。
「私は知りません!このチョコは今日の午後、銀座のいつもの店から買ってきて、ついさっき開けたばかりなんです。――ねえ、なつきさん!」
「え?あ、ごめん。私よく見てなかった。」
なつきが申し訳なさそうに肩を竦めると、真佐代は「なつきさん…!」と青ざめた。
「あなたが食べて何ともないって事は、一部のチョコにしか毒は入って無かったって事よね?だとすると、どうやって樹里さんに毒入りのチョコレートを選ばせたのかしら」
「どのチョコを最初に食べるかくらい、マネージャーなら知ってて当然だろ」
「私、やってません!それにチョコを食べる順番なんて、いつもバラバラでした!」
真佐代が必死で疑いを晴らそうとしているのを見て、安室が口を開く。
「樹里さん、チョコを選ぶときにどれにしようか迷っていましたよ。おそらく矢口さんが言うように順番はいつもバラバラだったと…。」
「お…おう、そうか。とにかく、そのチョコは預からせて貰います」
小五郎は真佐代に歩み寄ると、ハンカチを取り出してチョコレートを箱ごと受け取った。
「現場を保存するため、皆さん後ろの席に移動してください。それと、前のトイレは使用禁止にします」
言われた通りに席を移動した小鳥は、難しい顔で考え込む安室を覗き込む。
「何か気になる事でも?」
「いえ、トイレと言えば…先程樹里さんがトイレに立った時、随分早く戻って来たなと思いまして…。」
彼の疑問を聞いて、小鳥は「ああ、それなら…」と言葉を続ける。
「お手洗いじゃなくて、耳抜きをしに行ったんじゃないですか?隣にはおじさまが居たし、樹里さん女優だから人前では出来ないでしょう?」
何気ない彼女の言葉に、安室はハッとなり「コナンくん」と、手招きでコナンを呼んだ。
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