事件の聞き込み


車掌の証言に従い、コナン達は出波のいるE室を訪ねた。車掌を呼んだときの事について、証言を求める。
「ええ、確かに呼び鈴で車掌さんを呼んだわよ!私の部屋で妙な音がしてたから…。音の原因はこの腕時計のアラーム…ソファの隙間に挟まってるのをみつけたわ!どーせ清掃員か誰かの忘れ物だろうけど…」
「部屋を調べさせるために車掌さんを呼んだなら、犯人が被害者の部屋に入ったのはその時かもしれないな…。廊下の見張り役の車掌さんが居なくなるわけだし…」
世良がつぶやくと、出波は反論した。
「調べさせるって…呼んだのは文句を言うため!これはさっき自分で見つけたわよ!私、自分の領域を他人に侵されるのって耐えられないから…」
「ほーーー…じゃあ車掌さんはずっと廊下にいたのに、被害者のB室に入る不審人物はみてないんですか?」
小五郎に不審げな目を向けられ、車掌はおどおどと説明した。
「そ、そう言えば出波様の苦情を聞いていた時に一番向こうの扉が開いていて…扉越しに誰かがチラチラとこちらを覗いていたような…」
「一番向こうならA室か…」
小五郎がつぶやく。記憶がよみがえってきたのか、車掌はさらなる心当たりを口にした。
「その怪しい人を見る少し前に、D室から出てきた小蓑様がメイドさんに車いすを押されてそちらの方へ向かわれたので…あの二人なら見ているかも…」

コナン達は、D室の扉をたたき、小蓑と住友からも話を聞いた。
「A室の扉?私たちが通った時にはそんな扉は開いていませんでしたわよ?勿論、その扉の傍にいた怪しい人物もみていません。ですわよね、住友さん」
「はい、奥様…」
車いすに座った小蓑に顔を向けられ、メイドの住友が丁重に頷く。
「開いていたのは出波様の怒鳴り声が聞こえていた…E室の扉だけでございますわ…」
「じゃあ、小蓑様たちが通り過ぎた後で開いたのかも…」
車掌の推測に、コナンが反論した。
「でもさ、僕たちがB室に行く途中、この8号車に入る扉の前でおばあさん達とすれ違ったけど…僕たちもA室の扉が開いてるの、見てないよ?」
「本当に開いてたのか?」
小五郎に問い詰められ、車掌は自信な下げに目を泳がせた。
「あ、そう言えばボウヤたちが来る直前に、C室の安藤様が様子を見に来られたのでもしかしたら…」

コナン達は最後にC室の安藤を訪ね、事件前の状況を聞いた。
「ああ…。出波さんの怒鳴り声が私の部屋まで響いてたので…部屋を出て様子を見に行ったんです。何事かと思って。でも、その時A室の扉が開いていたかどうかは分かりませんねぇ…出波さんのE室とは逆方向なので…。その上、あの時列車がトンネルの中に入っていて窓からの光が無く…廊下は薄暗かったですし」
「そう言えばそうだったよね…」
小鳥が納得したように呟く。確かに、事件が起きたとき列車はトンネルの中で、あたりは薄暗かった。
「君たちは見て居ないのかい?私が部屋から出た直ぐ後にやってきたよね?」
安藤に逆に聞き返され、コナンは「うん…みてないよ…」と否定した。
「ところであなた方、8号車の乗客はお互いの名前と部屋を妙に把握しているようですが…知り合いとか?」
小五郎の疑問を安藤が「ええ、まあ…」と肯定する。
「毎年このミステリートレインでご一緒するので…」
「この方々は毎年この一等車をご予約される常連さんなんです!しかも、皆さんいつも同じ部屋をね!」
車掌が補足し、小五郎は「ホォーー…」と相槌を打った。
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