「奏出先輩!」
放課後、彼の教室へと出向こうと1年生の教室へと向かう途中。
知らない女子生徒たち3人組に突然引き留められた。
見る限り、多分1年生だろう。
まだ十分に馴染んでない制服を纏っている姿からは初々しさが垣間見れた。
「私、去年の雄英体育祭のテレビ中継見て奏出先輩のファンになったんです!」
「すごくかっこよかったです!」
「奏出先輩をみて雄英を受けるって決めました!」
羨望の眼差し。
目を輝かせて私を見る彼女たちはとても活き活きとしている。
「ありがとう。少し恥ずかしいけど……そう言ってもらえると嬉しいです」
こうして話しかけられるのも初めてのことではない。
去年の体育祭の影響もあって、今年の新入生からは特に声を掛けられることは多かった。
「奏出先輩の個性、とても素敵です!」
そう。
この褒め言葉も、初めてじゃない。
「……そう、かな」
この言葉は、幼いからずっと言われ続けてる。
「はい!とても強いし、綺麗だし……」
彼女たちに悪気があるわけではない。
悪意や嫌味が込められているわけでもない。
それなのに。
「奏出先輩に、とてもぴったりの個性だと思います!」
その言葉は、私に深く突き刺さるのだ。
「これからもずっと応援してます!」
「失礼します!」
過ぎ去る彼女たちへと手を振ると急いで踵を返した。
気が付けば夢中で走り出している。
ひどく胸が痛む。
ひどく胸が苦しい。
いつもよりも強い息切れがする。
「ごめん、なさい……」
混沌としたやり場のない感情を吐き出すように。
目から溢れ出す、大粒の涙。
「焦ちゃん……」
君は私を助けてくれたのに。
私は君を、苦しめている。
guilt
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