「緑谷くんは勉強熱心なんだね」
ベンチに腰かけながら、緑谷くんのノートに目を通していた。
「こんなにたくさんの人たちの個性の分析……しかも全部、的確な内容!」
「いや、そんな……」
緑谷くんは嬉しそうに、けど恥ずかしそうに顔を俯かせた。
こんなにもノートがぼろぼろになるまでまとめるのにどのくらいの時間を費やしたのだろうか。
ヒーローになりたい。
その強い一心が、ひしひしと伝わってきた。
「去年の雄英体育祭、奏出さんの活躍……すごかったです」
「ありがとう」
「1年生ステージでは、奏出さんの試合が一番盛り上がってましたよね!」
「そんなことないと思うけど……もしそうだとしても、今年の1年生の方がもっと盛り上がると思うよ」
「え?」
「だって、焦ちゃんがいるから」
私を救い出してくれた、あの日から。
「轟くん、ですか?」
「うん」
彼は私のヒーローになった。
「焦ちゃんはとっても強くて、かっこいいの」
彼のことを口にすると自然と口角が上がってくる。
緑谷くんの口元も、私につられて綺麗な弧を描いていた。
proud
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