「おお焦凍!久しぶりだな!」

あれからしばらくして、父親と母親が顔を出した。
彼は父に向かって小さく会釈をする。

「見たぞ、雄英体育祭!お前凄い活躍だったじゃないか!」
「ありがとうございます」
「炎司さんも鼻が高いな!」

父は豪快に笑い、彼の肩を叩く。
相変わらずのハイテンションを私は呆れながら眺めている。

「彩海、がっつりやられたな!それも犯人はお前のストーカーだったって話じゃないか!」
「そこ、笑うところじゃないでしょ!!」

一人娘がこんな被害にあったっていうのに、この態度。
本当に父親なのかと目を疑ってしまう。

「俺は仕事で滅多に帰れねえけど、心配はしてねえよ。こんな心強い彼氏がいりゃあな!」
「えっ!!」

"彼氏"という言葉に思わず過敏に反応してしまう。

そうだ。私達、気持ちを伝えあったんだ。
ということは付き合う、ってことになるんだ。
なんだか恥ずかしくなってくる。

「おお、その反応はガチだな。やっと付き合ったのか。よかったなー彩海、お前の長年の片思いが実って!」
「おめでとう彩海」
「ちょっと!お母さんまで!!」

両親の破天荒なペースに空回り。
彼は慣れたように、表情も変えずただ私たちの様子を眺めていた。
いつもならこのままただ終わるのを待っている彼だが、今日は違った。

「おじさん、おばさん。俺、謝りたいことがあります」

椅子から立ち、真剣な眼差しで私の両親を見つめる彼。
その背筋はいつも以上にまっすぐに伸びていた。

「彩海さんの右肩に……傷を残してしまって申し訳ありません」

深々と頭を下げる彼。
私は今回の事件で右肩の火傷を見られたことを思い出した。

そうだ。この傷のこと、彼とおじさんに知られてしまったんだった。

「……私からも謝罪させてください」

突然ドアの方から聞こえた声。
そこには彼の父親でもある、No2ヒーロー エンデヴァーが立っていた。

「大事な娘さんに傷を残してしまっていたとはつゆ知らず……本当に、申し訳ない」

本当に地面に頭がついてしまうのではないかと思うほど、深く頭を降ろす。
その光景を見ていると、なんだか昔の古傷が痛んだように感じた。



apology

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