親友と一緒に賑やかな食堂で昼休憩を過ごした。
新入生が入ってきて、食堂のにぎやかさも一風変わったように思える。

「彩海の幼馴染くん……なんだっけ、名前」
「轟焦凍だよ」
「確かエンデヴァーの息子だよね」
「うん、そう」

No.1ヒーロー、オールマイトに次ぐ、No.2ヒーロー、エンデヴァー。
彼はその息子だ。

「焦ちゃんはすごいから、きっとあっという間に有名人になっちゃうんだろうなあ」
「へえ、そんなに強いんだ?」

待ってました、と言わんばかりに私は自慢げな笑みを浮かべる。
きっと今は渾身のドヤ顔に違いない。
その証拠に親友の顔は軽く引きつってる。

「焦ちゃんはすごいんだから!私が小さい時に……」
「おい奏出!!!」

会話を遮るように、クラスメイトの男子が割って入ってくる。
その強引な勢いに負けて、思わず口を噤んでしまった。

「お前さっそく1年に噂されてたぞ」
「え?」
「美人な先輩がいるってさ!さすがはヒーロー科のマドンナ!」

周りにも聞こえるほどの、大きな声。
その一言で、周りの視線が一気にこちらへ集中する。
周囲からひそひそと噂話も飛び交いだした。

「わ、私、片してくるね!」

耐えきれず、恥ずかしさを振り切るように勢いよく席を立った。
周りを見ない様に、顔を俯かせながら小走りでカウンターへと向かう。
その間にも容赦なく突き刺さる視線に、どうにかなってしまいそうだ。
なんてことをしてくれたんだ、私のクラスメイトは。

「しばらくは、轟くんよりもあの子の方が目立ちそうだけどね」
「なんの話?」
「いや、こっちの話」

一刻も早くこの視線から逃げ出したい私は、足早に食堂を後にした。

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