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わたくし、上条当麻は同じクラスメイトの青髪ピアスと土御門元春と一緒にとある女生徒を探している最中です。
なぜこんなことになっているかというと、数時間前にさかのぼる。

「ほんとやって!運命の女の子に出会ってしまったんや!」

いきなり呼び出されたと思えば、さっき出会った運命の女の子を探すのを付き合ってほしい、といきなり言い出した。
俺と土御門は半ばあきれたように青髪ピアスを見る。

「そんなこと言ったってお前、女の子ならなんでもいいんだろ?」
「上やん、確かに僕の女の子のタイプに関しての許容範囲は、誰よりも広いという自信はある。でも、その子は違うんや。運命を感じてしまうほどの子や!」
「上やん、もうこいつになにをいっても無駄ぜよ」
「……はあ」

そんな流れで俺たちは町を歩き回っていた。
特徴って言ったって、茶色の髪色をした女の子、っていう情報しかない。。
そんな中で見つけるなんて、至難の業だ。

「ったく、なんで俺が付き合わなきゃいけねえんだよ」
「いいでしょー、もう。この間買い物に行きそびれたのは、誰のせいだと思ってるの?」
「そりゃあ……お前だろ」
「なんでそうなんのよ!」

仲睦まじそうなカップルの会話がすれ違いざまに耳に入った。

「……あれ、もしかして……」

よく見れば、以前に不良たちから救った少女、蒼南六花だった。
隣には一見不良のような、ホストのような男と肩を並べて歩いている。

「へえ、あいつがあんな奴と歩いてるなんて少し意外だな……」
「……見つけた」
「へ?」
「あの子や!あのホストと歩いとる子!あの子や!」

なんと、青髪が運命の子と言っていたのは六花だった。
確かに特徴とぴったりの容姿をしている。
でも、だ。

「青髪ー。いいのかにゃーん。隣で歩いているの、彼氏っぽくないかにゃー?」

土御門が意地悪そうに笑う。

「なにゆーてんの!彼氏って決まったわけやない!きっと仲のいい友達かなんかや!」
「それもそれでどうなんだ……」
「いいから追うで!絶対あの子と仲良うなるんや!」