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「クソが。ただこんなことのためだけにスクールを招集したのかよ」

あの処女作品の依頼から立て続けにくだらない依頼が舞い込んだ。
気づけばまた帰らない日々が長く続いている。

「しょうがないでしょ。アレイスターとの直接交渉権を手に入れるには、今はこうやって従順に動いていくしかないわ」
「……ムカついた。」

心理定規が俺を宥める。
携帯電話を見れば、あいつからメールが届いていた。
相も変わらず、俺を心配したり、気にかけたりしている内容ばかり。
少しは自分のことを気にしろと言いたくなる。

「大事なのね、彼女」

心理定規は俺の様子を見て笑った。

「大丈夫なの?彼女、浮気でもしちゃってるんじゃない?」
「……だったらいいけどな」
「あら、素直じゃないのね」

俺はポケットからあのスノードームを取り出す。
キラキラと舞う銀幕の欠片を見ながら目を細めた。


『みて帝督!できたよ!私、作れた!』


あいつの無邪気な笑顔が、俺を迷わせる。

俺は今、どこに向かっているんだろう。