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幼いころからずっと一緒だった。
俺と六花は幼馴染で、一緒によく遊んでいた。
周りの連中が俺の特殊な能力に怯え離れて行く中、あいつだけは違った。

「お前、怖くないの?」
「なんで?だって、帝くんは帝くんじゃん。優しくて強くてかっこいいってこと、六花が一番よく知ってるよ」

あいつはそう言って俺のそばからずっと離れなかった。
本当にばかだと思う。
俺なんかといるから、みんな怖がって離れて、仲のいい友達もできなくて。
俺なんかといなければ、Lv2でも劣等感を感じず、幸せに暮らせたはずなのに。

あいつはいつも言った。

「帝くんを一人にはしたくないんだ。だからね、帝くんがLv5なら、六花もそれに近づけるように頑張るの。そしたら、帝くんもさびしくないでしょ?」

気が付いた時にはあいつはLv4になってた。
近くなったと言い、笑った。
いつも俺のことばっかりで、自分のことを考えない無鉄砲なあいつが放っておけなくて。

あいつを、守れるぐらいに強くなりたい。
何者からも絶対に守れるくらいに、強く。
そのためには第二位じゃだめだ。
一番じゃなきゃ、何物からも完璧には守れない。

「……決めた。俺は一番上を目指す。第二位なんてところで満足してたまるか」
「帝くん……」
「絶対俺は第一位になる。絶対に」
「うん!」

俺は真面目にカリキュラムをこなし続けた。
けれど現実は甘くない。
依然として変わらず第一位は俺の前に立ちはだかる。

俺は半ば絶望した。
真面目にやっていて、いつかどうにかなるだ?
そんなの所詮きれいごとなんだと、努力すればするほど思い知らされた。

荒れに荒れた俺は、あいつを突き放した。
だけどあいつは変わることなく、いつも俺を笑顔で迎え入れてくれた。


そんな俺たちに、闇は突然やってきたんだ。