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「ねえ、一方通行」

打ち止めが俺の横で飛び跳ねながら、問いかける。

「あのお姉さんは、なんだかかわいそうだから助けてあげたいって、ミサカはミサカは打ち明けてみる」
「そんな簡単に助けられたら、誰も苦労しねえよ」
「でも、なんだかとても辛そうで、見てられないって、ミサカはミサカは心配してみる」

垣根の幼馴染といった女は、泣き疲れてまた横になっていた。
垣根と交戦し、俺が暴走したときに飛び出してきた女の記憶が、断片的に残っている。
そして、垣根を抱きしめながら泣き叫ぶ姿も、だ。

「すべては、アイツの弱さが原因なんだろうよ」
「お姉さんは弱くないよ!ってミサカは……」
「あの女じゃねェ」

俺はソファに寝転がると、ゆっくりと目を閉じた。

「あの、クソッたれの悪党だよ」