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一端覧祭に私は一人で足を運んだ。
昨日は黄泉川先生や一方通行に迷惑をかけてしまった。
謝罪とお礼をどうしても言いたくて仕方なかったのだ。
目が覚めると、一端覧祭に出掛けてきます、という書置きをみつけ私は街に繰り出した。

賑わう人たちの雑踏の中を、行く宛もなくふらふらと突き進む。
一方通行のことだ、静かに彼が祭りを終えられるはずがない。
あの小さな少女がまた何やら騒ぎ立てて、騒動でも起こしているんじゃないか。
ほんの軽い気持ちで立てた推測だった。

そんな時、騒いで逃げ惑う人たちを見かけた。
まるであの日と同じように、通行人が一目散にかけていく。
その流れに逆らうように、騒ぎの中心に向かって進んでいく。

私が向かっているのは、一体どこなんだろう。
彼が向かっていたのは、一体どこだったんだろう。

私はこの自問自答を幾日も繰り返した。
その答えはいまだに見つからない。

地下街へと足を進む。
大きな地響きをかんじながら、私は突き進んだ。

彼の笑顔を。
彼の声を。
彼のすべてを。
私の頭の中で、たくさんの彼が映し出される。


「六花」
「帝督……!」


そこには懐かしい、彼の姿があった。
肌は白く、白目は黒く透けて見え、黒目は赤く光っている。
だけど、そんな気にならなかった。

彼がいる。
私が追い求めた、彼がいる。
やっと会えた。
帝督に、やっと……。


「オマエ、なんでここにきた!」
「だれ、こいつ」

一方通行とロングヘアーの女性が私を見る。
どういう経緯かはわからないが、彼と交戦しているようだ。

「チッ!オマエ、今すぐここから去れ!」
「どうして?やっと会えたのに。帝督に、やっと……!」


その瞬間、私の思考は停止した。
あの日、一方通行の黒い翼に突き刺されたように私の体は白い翼で突き抜かれていた。
目の前の彼は、私に冷たく言い放つ。


「ここはLv5の集いた。お前はもう用済みだ、白ノ乙女(ホワイトメイデン)」


私はそこで意識を手放した。