「ねえリリー、今度前に言ってたお茶会しない?セブルス誘って」
「ああ、いいわね!日本のお菓子持ってきてくれるってやつよね?」
「そうそう。明日とかどうかなあ」
「授業後空いてるわよ。セブルスにも聞いておくわ」
「ありがとう!」
以前わたしが生理痛で倒れて助けてもらった際のお礼のお茶会。
まだ開けていなかったので、やろうよとリリーに提案してみた。
こういうことをするとだいたいジェームズとかシリウスにめちゃくちゃ言われるんだけど、まあ別に子供の言うことなんて聞き流せばよし。
・・・セブルス好きなんだよなあ。
幸せになってほしかったんだよ。
お茶会開くくらいでどうにかなるとは思わないけど、こうやってリリーと3人で仲良くできたらなあ、とおもう。
「や、やあ。待たせたか?」
「セブ!いいえ、いまちょうどお湯が沸いたからベストタイミングよ」
「来てくれてありがと〜」
早速翌日の授業後、わたしとリリーは空き教室でお茶会の準備をしてセブルスを呼び出した。
ジャパンなものとして、抹茶やらお汁粉やらを用意してある。
抹茶は確か外国の人には苦いんだっけ、と思い念のため牛乳やら砂糖やらも持って来た。わたしデキるわあ。
リリーもセブルスもお菓子を持って来てくれたので、3人で仲良くお皿に盛った。良い。
「この、オシルコ?おいしいわねえ」
「でしょー、わたしこれめっちゃ好きなの。お抹茶はちょっと苦いかな」
「お砂糖をいれたらちょうどいいわ。セブはそのままで飲めるのね」
「あ、ああ。悪くない」
「よかった〜!」
なんてのほほんとしたお茶会だ。とても穏やかな気持ちになりながら、わたしはニコニコとクッキーをつまんだ。
これ定期的に開きたいなー、めっちゃ癒される・・・。
「そういえばアオイ、リーマスとホグズミード行くんですって?いま結構噂になってるわよ」
ぽわーんとしているとリリーが口を開いた。
シリウスにも聞かれたその内容に目をパチクリする。
「え、うん。噂になってるの?」
「談話室で話してたんでしょ?みんなゴシップが好きだからね」
「ひぇー、寮生活って感じ。
行くけど別にそんなんじゃないよ〜」
わたしは甘いおしるこをすすりながら答えた。
「わたしホグズミード行ったことないから、リーマスがよくホグズミードで買い貯めたお菓子くれててさ。せっかくだからそれ売ってる店とか、カフェとか巡ろうってなってるの。
他のメンツ誘うとどうせ悪戯用品見に行ったりするでしょ、あんま興味ないからさーわたし」
ゾンコはちょっと行ってみたいけど、たぶん自分で悪戯用品は買わないだろうなーとおもう。
魔法界の悪戯グッズならやっぱりすごいのかな?
でもなー、わたしもう18だしさすがにそんなのに心ときめかないと思うんだよなー。
「・・・シーナは、何故アイツらといっしょにいるんだ?」
そう思っていると、セブルスが口を開いた。
ああ、まあ。犬猿の仲だもんね、君たち。
「わたしがセブルスって呼んでるんだからセブルスもアオイって呼んでよ」
「・・・アオイ」
「やったぁ!」
いまはリリーもいるしいいタイミングでは、と質問をいったん保留し図々しいお願いをしてみたらフツーに受け入れてくれて喜ぶ。
やっぱり呼び名で親密感変わるよね!嬉しい!
「わたし冬休みから学校来てるんだけど、そのとき学校にいたのがあの4人くらいでね。いろいろ教えてもらってるうちに仲良くなった」
「・・・」
「ま、悪戯に関してはどうかと思うけどね。ガキくさい。
でもまあ、それ以外はいい子たちだと思ってるよ〜」
「どうだか」
冷たく言うセブルスに思わず苦笑する。
まあそりゃセブからしたらほんと目の上のたんこぶだもんね。
苦笑していたらリリーが少し肩を落としながら言った。
「冬休み、私やケナ達がいたらよかったんだけど・・・」
「まあ、フツーはみんな家に帰ってるよ。わたし日本の方から来てるから、早めに来ないと時差とかしんどくてダンブルドアが許してくれたの」
「ああ、なるほどね」
「それより、二人は誰とホグズミードに行くの?」
これ絶対気になってただろうなあ、と思いながら聞いてみる。
あわよくばリリーとセブで・・・!などと目論みながら。
「私はケナ達と行くわ。セブは?」
「あ・・・僕も先輩と・・・」
「そう」
まあそうですよねーーーーーーうまくいかないですよねーーーーーーーーハイハイーーーーーーーーーーーーーーーー。
「楽しかったよ〜今日。ありがとう!」
「あ、ああ。こちらこそ」
「またやりましょう!」
そして終始のんびりとしたお茶会は終わった。ウーン楽しかった。すごい心安らぐ時間だった。
セブルスとの距離も縮まったような気がするし、リリーともさらに仲良くなれた気がする。嬉しい。ぜひまたやりたい。
「じゃ、私とアオイはこっちだから。またねセブ、おやすみなさい」
「ああ、お、おやすみ」
「おやすみ〜」
そしてわたしたちはセブルスに背を向け談話室を目指す。
チラリと振り返ると、セブルスはいつまでもわたしたち・・・いや、リリーの後ろ姿を見送っていたのでリリーに教えて手を振るようにした。
セブルスの恋は純情だなあ、と思う。
「いい子だよね、セブルス。優しいし」
「そうなの。わかってもらえて嬉しいわ、みんな彼を嫌がるから」
「うーん、確かにそんな感じしてるね」
「まあ彼も改善しないといけないところはいっぱいあるんだけど」
わたしとリリーは廊下を歩きながら話した。
「でもとてもいい人よ。実家が近くにあってね、ホグワーツに来る前からよく会ってたの」
「そうなんだ!いいね」
「もっと一緒にいられたらいいけど、寮が違うとそういうのも難しいし」
「ウーン、わたし寮制度あんまり好きじゃないなー。馬鹿馬鹿しくて。」
「あはは、それもそうかもね」
鈴のように笑うリリーはかわいくて、確かにこりゃあみんな好きになるわ、と思った。
「またやりましょうね。とても楽しかった」
「うん!ぜひぜひね!」
そこでレディの肖像画の前に到着したので合言葉を唱えた。
談話室へ向かいながら、思う。
もっと何か、他寮とも関われる機会増えればいいのになあ。