「・・・だれ」
くっちゃくっちゃ。
ポテトチップスを食べながらその男は出てきた。
「か、カルトちゃんの友達です…」
「は?あいつに友達なんかいるわけないじゃん怪しいやつ。
まあわりとかわいいし入れよ」
「・・・」
このひと、無理だ。
第13話
あの娘は綾波レイが好き
「ふーん。じゃあじいちゃんのお気に入りか、そういやメイドがそんな話してたな」
「そ、そうなんですか…?」
「うん。じいちゃんが嫁候補見つけたとかなんとか」
「よ」
「オレとか兄貴とかそろそろいい年なんだけどぜんぜん女に興味なくてさ。まあオレは三次元自体興味ないんだけど。
そろそろじいちゃんも曾孫がほしいとかで」
「・・・」
なにその話。
よめ…えっ嫁!?!?!?
「まじだるいと思ってたんだけどお前わりとかわいいし、毎日コスプレしてくれるなら結婚してやってもいいよ」
「・・・私も三次元興味ないんで…」
「え、腐女子?腐女子はないな」
お前のほうがないわ。
「じゃあなんで来たの?誘いに来たんじゃないのかよ」
「さそ…カルトちゃんがパソコン教えてもらえって」
「え、お前腐女子なのにパソコンも使えないの?ゴミじゃん」
「ご」
さっきからひたすら言葉を失う。
何こいつ本当に無理なんだけどえええええ!帰りたい!!!!!
でもなんかあまりに衝撃すぎて怒りもイライラも感じない、ただただはやくホテルに帰っておいしいごはんが食べたい。
帰ろう。
「…すみませんゴミなんで帰ります……」
「嘘だって。教えてやるよ、ラミパス☆タナトスのムーンシャララのコスプレしてくれたら」
「帰ります」
「なんだ、もう帰るのか?
親父が世話になってるな」
「え……あっ!!」
「シルバだ。話は聞いてるぞ、CATだったか」
その後もやたらコスプレを押してきた上なぜか最終的に自作のパソコン(痛パソ)をくれたミルキから逃げ出し帰ろうと玄関に向かうと、廊下でシルバさんに出会った。
い、イケメンだ……!!!
「あ、挨拶が遅れてしまって申し訳ないです…!CATと申しますいつもお世話になってます」
「ん?その目が痛くなるパソコンはミルキのか」
「な、なんかいただきました…」
「珍しい。気に入られたのか」
シルバさんは驚いたようにあたしとパソコンを見比べる。
え、気に入られたの…?
気に入られたのかなあれ…でもどうしようあんまり嬉しくない……
「カルトも着物を渡したとか。すまんな、我が息子ながらどちらも不器用で物を渡すことくらいしかコミュニケーションの取り方がわからんのだ」
「そ、そうなんですか!?」
「不要だったら気にせず捨ててくれて構わんからな。
まあよかったらまた時々顔を出してやってくれ。」
「捨てるだなんて…!大切にします、ありがとうございますぜひ!!!」
しかしカルトちゃんに気に入られたとあれば別だ。
うふふやっぱりカルトちゃんってば素直じゃないだけであたしのこと好きなんだね!ときメモでいうところの友好状態くらいかな!
しかしこうやって話してみるとシルバさんも普通のお父さんって感じするなあ…貫禄というかオーラはすごいけど。
「そういえばCATくんは何でも屋をやってるんだったかな?ひとつ頼んでみようかな」
「あっはい!ぜひぜひ」
できることなら何でもしますと胸を張ると、シルバさんはにっこり笑った。
んん……なんか、違和感………?
あれ、どこかでこの感じ知ってるような・・・
「そろそろピセルト池の近くに咲くディアエラの花が見頃なんだ。
家内が好きなんだが、保存がややこしくてな。よければ取ってきてくれないか」
「あっ、はい!」
一瞬考え込むも、ノーとは言えない日本人。
反射的にうっかり承諾してしまった。
まあいいや。思ってたよりきゅんとする依頼内容なのでお引き受けいたそう!キキョウさんのためのお花!!
キキョウさんもまあわりと苦手なんだけど、でもでもこういう愛妻エピソードってやっぱりなんだかとってもくすぐられるよね!
そしてしばらく世間話をしてあたしはにこにこ満開笑顔で帰った。
うーんやっぱゾル家来てよかったー!お仕事ももらえたし頑張ろう。
お屋敷からの長い道のりを歩いていると、ミケを撫でているカルトちゃんに会った。
嬉しくて「帰るねー!」とぶんぶん手を振ると、バカだからどうせ知らないでしょ…って着付けの仕方教えてくれた。
カルトちゃんはやっぱりツンデレなんだね。実はあたしにトキメキ状態なんだね。とりあえず愛しいね。ただやっぱり自分で着れる気はしない。